「実はシリアス」サバイバルファミリー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
実はシリアス
クリックして本文を読む
電気の消失した世界、に興味もあり観賞。
コメディかと思いきや、中々に重たいモノがテーマであった。
「家族」の本来の姿がクローズアップされていくのだけども…この本来の姿ってのに疑問を抱く人も多いのだろうと思ってしまう。
自分の世界に閉じこもりがちな兄。
存在証明にも近い感情で反発を繰り返す娘。
日々を消費する母。
仕事に依存した父親像の父。
「電気」という便利なものがなくなり、1人では何もできなくなり、寄り添う。
そんな中から、絆や関係性を見出し、取り戻す。
そんな話しであるわけだが…。
この取り戻した形がいわゆるハッピーエンドの形なわけなのだが、きっとこれすら一種のファンタジーなのだろうと思う。
「こうなるはず」ではなくて「こうなればいいなあ」っ感じがする…かな。
前半ボロカスでいいとこ無しな父親。
尊敬も尊厳もない。
そんな父親像を明確なリアリズムをもって小日向さんは演じてらした。
ああいうのやらすと上手いなあと思う。
無人の市街地や高速。
大掛かりなロケも堪能できた。
たった2キロのトンネルが暗黒の迷宮に変貌したり…。
基本的に善意ある描写ばかりであった。
争いが起こらない。
殺人もない。
死体も転がってない。
…そんなにお行儀よくいくかしら?
電気が突如消失した理由に、なんだかあるかもなと若干の不安を抱いた。
そして、成長がテーマであるなら、もっかい停電して欲しかった。
家々にほのかに灯りだすロウソクの灯り。文明に依存だけしない人類の成長も見て観たかった、かな。
そして、基本コメディ路線なんだとしとも…空腹や渇き、焦燥感はもっともっとないと、空想からは脱却できない。
藤原さんが悪い意味で浮いてた…。
コメントする