「ご近所付き合いも悪くない」幸せなひとりぼっち Rさんの映画レビュー(感想・評価)
ご近所付き合いも悪くない
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この偏屈な主人公がはじめ本当に嫌いだった。
人に対して平気で暴言を吐く、全て自分が正しいと思っているクレーマーだ。猫や犬を脅かすし、周りの人に対しても思いやりがなさすぎる。
そして主人公だけでなく、犬を飼っている女性が、猫に石を投げていた。酷すぎる。フィクションだとしたってこんなシーン見たくないし、許せない。本当に気分の悪い映画だ。
途中で観るのをやめようか迷ったけれど、休憩をはさみ、気持ちを落ち着けつつ最後まで観た。
最後まで観てみれば、彼がどんな人なのか理解することが出来たし、最愛の人を亡くしひとりぼっちになった辛さ、心がいっぱいいっぱいであらゆることに苛立って仕方ない気持ちがよくわかった。私が同じ立場だったらやはり、人に優しくする余裕はないと思う。
彼が少しずつ心を開いて、周りの人のために行動する姿はとても良かった。どん底の心を救い上げるのは、人との関わりなのかな。
猫ちゃんも家族になり、一緒のベッドで寝たり、見回りについてくる様子が可愛くて癒やされた。
奥様との回想シーンは、彼にとって彼女がどれだけ特別な存在だったかが伝わってきて、胸を打たれた。若い頃のオーヴェの、ソーニャへの気持ちが溢れた繊細な演技が印象に残った。
ルネとの車のエピソードも面白かった。
サーブvsボルボ。どちらもスウェーデンの車なんだね。
パルヴァネが駐車練習中にボルボにぶつけて「上出来だ」のところは思わず吹き出してしまった。
最後に、奥様と出逢った列車で、元気な姿の奥様に会うことが出来て良かった。
音楽も良かった。
この映画は猫を虐める描写が無ければもっと高評価だった。
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