「君が好きな物を注文出来るように」幸せなひとりぼっち shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
君が好きな物を注文出来るように
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映画「幸せなひとりぼっち」(ハンネス・ホルム監督)から。
妻に先立たれた老人が、変人と言われるほど頑固を貫き、
孤独感を味わいながら生活している。
その彼が、隣人一家をはじめ多くの人との触れあいを通して、
少しずつ再生していく姿を描いた作品なのだが、
気になる一言は、まだ若かった彼と妻が、
始めて出かけた、食事のデートシーンの回想場面。
お金がなく助けてもらった恩を忘れず、やっと貯めたお金を握りしめ、
彼女を待ち続けた。
そして「お金を返したかったんだ」と渡そうとすると、
彼女は、サラッと「食事のほうがうれしいわ」とデートに誘う。
そして、楽しみにしていた、レストランでの食事シーン。
若い男性なのに、あまり注文しない様子をみかねて、
「それだけでいいの?」と、彼女が彼に尋ねる。
彼はすまなそうに「食べてきた・・」とぼそっと呟く。
その答えを耳にして、慌てて彼女が「どうして?」と聞き返す。
そして、彼はこう答える。
「君が好きな物を注文出来るように」
貧乏でやっと貯めたお金だから、2人分だと少ししか食べられない。
それよりも、彼女に好きな物を好きなだけ注文して欲しい、
だから自分は事前に自宅でお腹を膨らませてきた。
こんなことを言われて、嬉しくない女性はいないだろう。
ストーリーとはあまり関係ないシーンだけど、よかったなぁ。
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