「素敵なラブストーリー」幸せなひとりぼっち kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
素敵なラブストーリー
オーヴェとソーニャの素晴らしいラブストーリーでした。
さまざまな場面で挿入される2人の歴史がとにかく素敵です。ソーニャのためにスロープを作ったり、最高です。
ソーニャはチャーミングで人格的にも完ぺき。ちょっと出来過ぎかなとも思ったのですが、ソーニャの負の面はオーヴェが背負っていたのかも、と大胆に推測してみます。
事故のことは、ソーニャの代わりにオーヴェがめちゃくちゃ怒ってくれたから、ソーニャは怒りに囚われることなく、エネルギーを未来に向けられて、改めて自分の人生にチャレンジできたのではないかな。
ソーニャの怒り・嘆きをオーヴェが図らずとも背負ってくれた。確証はないけれど、2人のパートナーシップを見ているとなぜかそんな気がしました。
若いころからオーヴェはぶっきらぼうで不器用。なので、序盤はなんとなくオーヴェにソーニャは不釣り合いかな、と思っていました。しかし…いやいや互いを補い合うベストカップルでした。
オーヴェはちょっとアスペ入ってますが、火事場に飛び込み人を救うような優しくて勇敢な男ですしね。聡明なソーニャはすぐに彼の魅力を見抜いたのかな。
ソーニャを失い、一時的に腐ってしまったオーヴェですが、隣人パルヴァネと子どもたちのと出会いで、図らずとも再生していきます。
パルヴァネの子どもたちとの触れ合いなどを見ていると、ソーニャとの間で不運にもできなかった子育てをしているよう。なんとなくオーヴェの中にソーニャが生きているように感じました。
再生していく晩年のオーヴェを見ていると、ソーニャとの間で培った愛を、周りの人たちに配り直しているようなイメージを抱きました。愛が2人だけで完結せず、世界に還元されているようで、なんとも豊かな気持ちになりました。
しかし、オーヴェは最後まできちっと生きれてよかった。自殺が成功していたらあの世でソーニャに振られるからね。
いい人生を観させて頂きました。オーヴェのおっさん、マジ幸せです!