マグニフィセント・セブンのレビュー・感想・評価
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悪と戦う男達の尊厳とその裏にある人間のサガ
入植して豊かな生活を築こうとするアメリカ。
そこにあって、富を独占する力あるもの。
それに立ち向かう男たち。
有り体にいうと、勧善懲悪型のストーリーなのですが、そのテーマは本当に深いなと感じました。
資本主義の名の下に、入植者の日々の幸せを作手して富を得る資本家ボーグ。「ここはもう土地ではない…私が目を付けた時点でチリとなった。20ドルで土地からでてけ」と武器で脅し、善良な市民を殺戮し、教会をもやし、自らの野望を遂げようとする姿はまさに悪。
ただ、こんな感じって、銃を使わないだけで現代も行われてるんだろうな…権力あるものの搾取…のわかりやすいストレートな構図が物語をある意味小難しくせず簡潔なストーリーになってるという側面もあるんでしょうねー。
そんな生きる気力をなくし、ボーグの手下ばかりがのさばる街に現れた黒いカウボーイ。そして、飲み屋でトランプに興じる不敵な笑みのイケメン。
これ、完璧もう簡潔に勧善懲悪が始まるストレートさ!
唐突に現れたカウボーイは酒場で悪党一味を一掃。みんなが慌てふためいて酒場をさる中、一人残るイケメン…。
程よい緊張感が絵になるシーンですね。
7州の治安官を兼ねるというチザムに街を助け出すことを頼むエマ。
そして、チザムは手コキの仲間を集めて、街の男たちを組織して、決闘を挑む…いやー。
馬の上でのガンアクション、ナイフやトマホークでの華麗な舞い、100発100中のガンや弓…そして、荒野を駆け巡るカウボーイ。昨今の派手なSFにはない、シンプルでストレートな格好よさがとても心地よかったです。ラストの決闘のシーンは本当に清々しいかっこよさ!
総力戦のなか4人が命を落とすわけですが、〇〇はインディアンに矢を何本も浴びながら最後まで倒れず立ち往生、一度逃げ出した〇〇は相棒の元に戻り、その友情の中で共に命を落とす。そしてファーディーが本当にズルい!ガントリングガンを相手に圧倒的劣勢の中で、単騎ガントリングに突撃…すんでのところで力尽き、最後の最後、タバコに火をつけ力尽きたと思いきや…いい男はの死に様は本当にいい男だなぁ…と(笑)
みな男の尊厳や男同士の友情の中で命を落とし、弱くも抵抗しながら、人としての尊厳を守ろうとする農民を助けて圧倒的劣勢の中で巨悪を倒す…という簡潔な物語が幕を閉じます。
ただ、頭の中に最後に残るのはチザムがボーグを追い詰めたシーン。
結局、この戦いは街を救うためであり、ただ一方で自らの復讐のためにたくさんの人を道ずれにしたという側面もあるのかな…復讐もある意味で人の尊厳を維持する一つの行為だとは思うのですが…いいえない、何だかずっと落ちない黒いものが心に残るラストだったな…と。
エマが「ボーグに街を取られる」と全財産でチザムを雇おうとし、夫が殺されたことなどを話して、チザムは街を救うことを決意する。
この中で、チザムがボーグのフルネームを知っていること、そして、エマに「目的は復讐か?」と問うこと。
この時点では全く気にしなかったですが、このシーンがラストはのの大きな伏線とは気付かんかったです…。
人は何のために生きるのか…何のために命をかけるのか…シンプルでストレートな構図の中に幾つかの人の生き方が滲み出るとてもよいお話だったと思います。
男達の生き様と死に様
ハリウッド映画らしい勧善懲悪ものは見ていてスカッとするし、理屈抜きで面白い。
冒頭部分、つまらないプライドから決闘であっけなく命を落とすシーンがあり、後々、決して「ムダ死」しない7人の闘い方が引き立ってくる。
実力派の俳優陣をキャスティングしているため、短い描写でも各人の個性がきちんと伝わってきて、闘い方の違いなどが存分に楽しめた。
「撃ち合い」と表現するのがしっくりする銃撃戦は、超人的な戦闘シーンに毒された頭には新鮮だったし、クラシカルな手段ながら次々繰り出される攻撃の数々は派手で見応え充分。
ただ一番の見所は、やっぱり死に様。
鑑賞後、「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の斉藤始と真田志朗の戦死シーンをはじめ、いろんなキャラの死に様で友人と盛り上がってしまいました。
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