「映像表現や演出は進歩したが、テーマは後退?」インクレディブル・ファミリー ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
映像表現や演出は進歩したが、テーマは後退?
14年後の続編はアニメならではの変幻自在なアクションと子育て描写で楽しませてくれる…が、物語としては保守的なところに着地したのでは?いわばヒーローが体制に取り込まれる話なわけで、『シビル・ウォー』を通過した今では随分お気楽な印象を受けた。大げさか?
スーパーヒーローが合法化される「古き良き時代」に戻る結末は、テーマ的に前作より後退していると思う。まあヒットした作品の続編を作るという行為が保守そのものであって、当然の帰結といえばそうなんやけど…これは果たしてあの『トゥモローランド』を描いたブラッド・バードの真意なのか?
などと文句をつけたら「ファミリー映画なんだから的外れなことを言うな」と正論を喰らってしまいそうやけど、前作も同様にファミリー映画でありながら「中年の危機」を描き、007へのオマージュに満ち、何より無意識的にではあるが『ウォッチメン』の影響を受けていた。前作は尖ってたんだよ!
ああそうか。スーパーヒーローはX-MENよろしくマイノリティの象徴というわけか。それだと「合法化=彼らの権利を法律で保証する」ということになる。だとしても彼らが疎まれている描写は皆無だったりと、上手く描けているとは思えない。やっぱり自分は先述のような見方が一番しっくり来る
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