パージ:大統領令 : 特集
この映画は、トランプVSヒラリーの再来、そしてアメリカの未来なのか!?
「1年にひと晩だけ殺人を含めた全犯罪が許容される」《パージ法》施行──
映画ファン国民投票で問う、この“究極の法律”は是か? 非か?
「1年にひと晩、12時間だけあらゆる犯罪が許される」という法律が施行されたアメリカを舞台に、戦慄のサバイバル劇を描く「パージ」シリーズの最新作「パージ:大統領令」が、4月14日からTOHOシネマズ日劇ほかにて緊急公開される。「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのジェイソン・ブラム、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイが共同プロデュースを手掛けたエクストリーム・スリラーが今、時代を問う!
朝まで“生”討論──
今回のテーマは「激論! ド~する!? ド~なる? パージ法」
推進派と反対派が大統領選で対決! あなたはどちらを支持?
「1年にひと晩だけ、殺人を含む全ての犯罪が許される法律」、それが「パージ法」。警察も病院も機能停止し、完全なる無法地帯と化す12時間。人々の狂気と暴力性がむき出しになる一夜を、あなたはどう評価するのか? この究極の法律をめぐる大統領選、映画ファンに是非を問う国民投票ともいうべき戦いが、ついに本作「パージ:大統領令」で開催される。
閉塞的な社会に対する不満を持つ民衆のストレスを発散させ、犯罪抑制にもつながるとして、パージ法を維持・推進する極右政権に対して、「パージ法は貧困層や弱者を排除しようとする悪法」だと訴える民主派女性上院議員の対立。それは、「偉大なるアメリカの復活」を掲げ、移民の制限や社会的弱者を切り捨てるような政策を発案するドナルド・トランプと、リベラルな政策を掲げたヒラリー・クリントンが対決した、昨年16年のアメリカ合衆国大統領選挙をほうふつとさせる構図なのだ!
「殺人までが合法になるなんてありえない。映画の中だけの話だろう」と笑い飛ばすのは簡単だが、弱者の排除や選民思想、「社会に対する不満のはけ口」という、根底に流れている思想を考えればどうだろうか。現在のアメリカが抱える数々の問題や、国家が向かおうとしている方向と、あながち無関係とは言い切れないはずだ。アメリカが突き進もうとしている「リアルな未来」のひとつとして本作を見れば、その衝撃は倍増。そのとき日本は? 我々は? という領域にまで考えがおよぶのだ。
オーエンズ牧師率いる極右政権NFFA(New Founding Fathers of America)が支配するアメリカ。犯罪を抑止する手段として政府がパージ法を容認するなか、異を唱える女性上院議員ローンが台頭。米国内は賛成派と反対派で分断が進み、その是非を問う大統領選が行われるが、その真っ最中に世界の運命を左右する12時間が新たに幕を開ける。警察も病院も機能しないパージの夜、NFFAの暗殺計画から生き延びるため、ローン上院議員と護衛を務めるレオの決死の逃避行が始まる……。
「パラノーマル・アクティビティ」「トランスフォーマー」の“2人”が組んだ!
累計世界興収300億円突破! 究極のエクストリーム・スリラー最新作!
本作は、全世界ヒットの実績を誇るエクストリーム・スリラー・シリーズの第3弾。数々の大ヒット作を手掛けてきた名プロデューサーが名を連ね、シリーズ・ファンはもちろん、これまでの作品を見ていない者でもすぐに作品世界に入り込むことができる、高クオリティの注目シリーズ作なのだ。
作品の善し悪しを決めるのは、監督だけではなくプロデューサーも重要な要素。本作に名を連ねた2人を見れば、その頼もしさに納得するはずだ。1人は、「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」の大ヒット・シリーズに加え、デイミアン・チャゼル監督と「セッション」でもタッグを組んでいるジェイソン・ブラム。そしてもう1人は、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイなのだ。
製作費は約10億円以下という規模の作品ながらも、シリーズを重ねるたびに大ヒットを記録。その勢いはアメリカ国内に留まらず、ヨーロッパ、南アメリカ、アジア各国でもヒットし、全世界ではシリーズ累計興行収入300億円突破という記録を打ち立てた。過激かつシンプルなワンアイディアが、どれほど大きなインパクトで世界に受け止められたかの証明だ。
記念すべき第1作「パージ」の主演は、イーサン・ホーク。「6才のボクが、大人になるまで。」の助演男優賞ほか、これまでに4度のアカデミー賞ノミネート経験を持つ実力派だが、その彼が製作費約3億円という低予算にも関わらず主演を買って出たのが同作。日本の映画ファンの間でも高い評価が集まり、以降、注目シリーズとしての地位を勝ち取っている。
本作の主演は、第2作「パージ:アナーキー」でホークから主役の座を受け継ぎ、パージの夜に息子のかたきを討とうとした警察官に扮したフランク・グリロ(「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」でクロスボーンズ/ブロック・ラムロウ役を演じている)が同じ役柄で続投。監督は、全2作を手掛け、「交渉人」の脚本でも知られるジェームズ・デモナコが務めた。同じスタッフ&キャストが心強い。
目利きの映画ファンを名乗るなら、この作品を見逃す手はない!
「ドント・ブリーズ」「イット・フォローズ」──本作もまた“分かってる”1本!
低予算のスリラーやサスペンスながら、その内容の面白さから全米でスマッシュ・ヒットを決めて話題となり、目利きの映画ファンの間で日本公開が待ち望まれる作品が、近年多く生まれている。
記憶に新しいヒット作は、「ドント・ブリーズ」。盲目の老人宅に盗みに入った若者3人が、元軍人の老人の逆襲に遭うスリラーだが、日本ではその奇抜な設定がウケて、女子高校生までが劇場に足を運ぶという広がりに。昨年16年1月公開の「イット・フォローズ」も、得体の知れない存在に延々と追われる恐怖を描きつつ、その高い映像センスが話題となり、映画ファンに強い印象を残した。「ブラック・スキャンダル」「ラビング 愛という名前のふたり」で知られるジョエル・エドガートンが監督デビューを飾った戦慄のスリラー「ザ・ギフト」、故アントン・イェルチンがバンドマンに扮し、ライブハウスを舞台に狂暴なネオナチ軍団とサバイバルを繰り広げる「グリーンルーム」も、映画ファンが公開を待ち望んでいた高評価作の代表例だ。
決して誰もが知っている大作ではないが、エッジの利いた設定が出色の個性派作品は、映画ファンを自認するなら、やっぱり見ておきたい作品群。「パージ」シリーズもまた、「見た? あれすごいよ」という映画好きの口コミによって、徐々に注目度を高めてきたシリーズなのだ。
そして今回の第3弾「パージ:大統領令」は、世界が向かおうとしている方向性とも合致。「見たよ」と話せば、「さすが分かってる」と映画ファンとしての株も上がる、まさに注目するべき1本となっているのだ。