「【”パージで魂を清めよ!”愚かしき白人至上主義者達に対し、過去パージで家族を殺された女性議員が立ち上がる第三弾。途中までは、全米ライフル協会推奨作品でもある。】」パージ:大統領令 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”パージで魂を清めよ!”愚かしき白人至上主義者達に対し、過去パージで家族を殺された女性議員が立ち上がる第三弾。途中までは、全米ライフル協会推奨作品でもある。】
■1年に1度、12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる法律「パージ」。その是非を問う大統領選挙中、レオ(フランク・グリロ)はパージ賛成派の極右政権に命を狙われた、過去パージにより家族を殺された大統領候補・ローン上院議員(エリザベス・ミッチェル)を護衛することになる。
だが、敵対する大統領候補が仕掛けた裏切り者によってふたりは追い詰められていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では、「新しいアメリカ建国の父たち」と名乗るNFFAが、全体主義的政策を行っている。現代アメリカに似ているが、この作品制作時、そこまで政治的な意図はないであろう。
・面白いのは、序盤ジョー・ディクソン(ミケルティ・ウィリアムソン)の店で万引きしようとした黒人女子高生たちが、パージの夜に、突如保険料を上げられたために堅牢な防御が出来ないジョーと移民マルコス(ジョセフ・ジュリアン・ソリア)の店に、デコレーションした車でやって来て”チョコバー、よこしな!”などと言っている所に、レイニー(ベッティ・ガブリエル:「ゲット・アウト」で、完全に顔を覚えてしまったぞ!”)が運転する防御バッチリのバンに引き殺されるシーンが、キチンと描かれている点である。
白人至上主義者たちだけではなく、暴動の際には人種に関係なく愚かしき者が出る事を描いている。
・今作で、ハラハラしながらも、矢張り見所なのはフランク・グリロ演じるレオ(フランク・グリロ)演じる護衛官が、ジョー達黒人の協力を得ながら、大統領候補・ローン上院議員を護る姿であろう。
・特に、捕まってしまったローン上院議員が、NFFA信者たちの前で殺されそうになるシーンかな。全員白人の富裕層が、”パージで魂を清めよ!”と狂的に叫ぶ中、彼女を助け出すシーンである。
<そして、大統領選が行われ、ローン上院議員の圧勝で物語は終わるのだが、ニュースで”惨敗した事に暴動を起こすNFFA支持者たち”と流れる辺りは、製作サイドの”この作品は、低予算だけどドル箱だから絶対に止めないかんね!”と言うメッセージが見て取れるのである。
今作はシリーズの中でも、第一作に続き、ナカナカな出来ではないかな、と思った全米ライフル協会推奨作品である。>