こどもつかいのレビュー・感想・評価
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イマイチの連続は地獄
基本的に批判にしかならないので、褒めるべき点を2点先に挙げる。
黒マント役のタッキーは、演技がいい悪いというのではなく役としては合っている。端正な顔立ちだから「人形が人になったら」という視点で考えると納得できる人選だ。
もう1点はオリジナルの脚本で勝負したこと。原作映画化は問題ないが、原作と比較する必要がなく純粋に見ることができる映画の存在は大きいと思う。
以上でポジティブな評価は終了する。
ダメな点を紹介していくが、まずこの映画は全く怖くない。
描写で言えば、一番怖いのは恐らく冒頭の娘をベランダに出した母の死に方で、後は至ってマイルドな表現に終始している。
またシナリオは王道(過去を調査して因縁を探る)だが、盛り上がりが全くない。
そして最大の問題点はホラー映画にとってとても重要な「日常」の描き方が甘すぎることだ。
個人的にホラー映画は最も日常の描き方が求められるジャンルだと思う。それはホラー自体が非日常の出来事であり、その非日常はしっかりとした日常が繰り広げられているからこそ成立する。観客が作品中の日常に「ん?」と疑問を持ってしまう事態はできる限り避けなければならないのだ。
この「こどもつかい」はその日常の描き方が雑すぎる。
例えば新聞記者は危険が伴ったり慎重な取材が必要だったり、衝撃的過ぎたりする話題、事件でない限りは一人で行動する。ついてくるとすればカメラマンぐらいだ。今回の母が一人不審死した程度では考えにくい。また先輩が守役として同行するケースは新人記者ならあり得るが、あの記者が新人だとする描写は見えないので説明不足だ。
また主人公が身を置く保育園の現場はひどい。虐待を見かけたら通報義務があるし、迎えが来ないから「じゃあ担任の先生が送る」なんてことはない。そもそも保育園は勤務している人が預けられるので勤務先にいるかもしれない。また普通は緊急連絡先としていくつか連絡がつく人を登録しなければならない。お母さんとつながらないから「じゃあ送る」とはいかないのだ。
保育士も職業意識に欠ける。自分と同じ境遇の子にシンパシーを感じるのはそれなりに理解はできるが、養護施設の職員から離れてしがみつく子どもを冷たく突き放しはしないだろう。まず己の無責任な発言を謝るはずだ。謝罪はクライマックス辺りで出てきて恐らく重要なシーンだったはずだが、余りに遅すぎる。職業はその業界を研究しなければいけない悪い意味でのモデルケースにこの映画はなっている。
ほかにもトミーがやばい奴だったシーンがあっさりしていてヤバさが見た目だけになっていたり、タッキーがレン君に裏切られたり子供たちに邪魔されているときのガッカリ感、怒りが全然伝わってこなかったりなど問題点は山ほどある。
ホラー映画はこういう風に作ってはいけないというお手本、そして何より清水崇は面白いホラーは取れない。そう感じさせられた120分だった。
期待はずれ
やりたい事は分かる。
設定も良かった。
ストーリーも矛盾が無く納得できる。
サクサク回収する伏線も気持ちよかった。
でも怖くない。まったく怖くない。
監督どうしちゃったの?というレベル。
子供の霊のビジュアルは怖いし、最初に死んだママの発見シーンなんかは良かった。
でも主人公カップルがまったく死にそうに無い。
だからハラハラしない。
ホラーが苦手でジャニが好きな人にはオススメです。
前半は清水監督の映画、後半はタッキーの映画って感じでした。
駿也がもう少し控えめな出番で、こどもつかいのビジュアルがもっと怖ければ良かったのに・・・。
尚美がキャラも演技も良かっただけに残念。
最後の例のシーンはとても良かったです!
ホラー要素のあるコメディ
貞子・かやこ・としお。
ホラー映画の代名詞といえるキャラクタとして、こどもつかいを作りたかったのかなと思います。
それは見事に失敗です。
怖いシーンのはずなのに、こどもつかいのせいで、妙なコント感が出てしまっています。
歌にもっと特別な意味があるのかと思ったらそうでもないし、
トミーは想像通りの糞野郎だし、
かと思ったら異世界にあの人が登場するし。
超展開過ぎました。
評価できる点は、エンディングの意味深なシーンですね。
第一被害者の発見シーンは怖かった。
それくらいかな。
ただ、舞台挨拶を見たので、
もっと深い見方があるような気もして、
2.0にしてみました。
とりあえず、映画館で見る必要はないかな~。
111分間のホラーアトラクション
初回上映を拝見しました。
★は5つです。
まずそもそも論として、自分はホラーを普段見ない人間です。
脅かしてやろう根性の突然の大きい音、悲鳴、揺れる画面、グロテスクな描写・・どれもそんなに楽しいと感じないので、正直ホラー映画は時間の無駄ととらえている人間です。
今回は出演している有岡大貴君が好きなので観に行きました。
その分評価は甘いですので切り分けて書いていきます。
まず作品本体の評価は自分の中では及第点3.5-4.0点だと思いました。
90分を超える作品はよほど面白くないと飽きてしまうことが多いのですが今回は111分、時間を感じることなく楽しむことができました。
これが及第点とする主たる根拠です。
ストーリー上の主人公である恋人同士が(主演はあくまで滝沢さん演じるこどもつかいですが、ストーリーをけん引するのは有岡君と門脇麦さん演じる二人です)一連の事件に巻き込まれ謎ときを進めていく・・・くだりはとても楽しめました。
全体的なテンポの良さが良かった半面、早すぎて理解が追い付かない部分もありましたが、こどもつかいに翻弄されつつ物語の世界をドキドキワクワク旅することができました。
もう一つ好ましかったのは自分にとってのホラーのネガティブな要素、上記の「大きい音」「揺れる画面」はさほどなかったことです。
映倫G認定であることからもわかるように、そんなに残酷な描写はありません。
残酷な出来事があることは予感されますが、延々グロテスクなものや、バイオレンスが展開されるということはないです。
ホラー映画にありがちな脈絡のない暴力や恐怖が延々襲ってくるパターンとは全然違い、親子関係や様々な人間関係、恐怖の根拠なども描かれており、一つの物語として納得することができるものでした。
満足のいく作品であることを大前提でマイナス点を挙げると
1.全体の構成がややアンバランスな印象
特に後半が早くて「え?もう終わり?」というくらい。
2か所で同時展開していくのが後半のプロットとしては適さなかった感じもしました。前半バラバラなプロットが一つになっていき・・という方がやはり感情移入しやすいかと。
印象としては結びはもう少し重厚でも良かった気がします。
2.脚本の問題として少しつたないと思えるセリフがあった。
自分自身母親ですので、保育園のシーン等で「保育士さんはこういう言い方はしだろうな」というリアリティに欠ける言葉遣いが気になりました。細かいことですが導入部で登場人物の一言一言に「この人はどういう人かな」と思っているときでしたので気になりました。
全編を通して言い回しが気になったのは数か所のみで些細なことだと思いますがいかにも「わかってない人が書いた/十分検討をくわえてない」風だったのでやや興ざめでした。よく読み直していれば「こんな言い方はしないだろうな」ってすぐに気づける程度のことです。
上記のようにひっかかる部分はありましたが、有岡君が良かったので加点して満点の5点です。
門脇麦さんは雰囲気のある女優さんで実力派の評判通りと思いました。
主演の滝沢秀明さんは難役かと思いますが、恐ろしくもどこか哀れなこどもつかいの役を立体的に演じていらっしゃいました。
有岡君の演じた新人新聞記者の江崎君は、あのようなファンタジックな作品にリアリティを与えていたと思います。
お芝居と言うのは平凡な役ほど難しいと思います。
どこにでもいる新人の社会人。
一生懸命で、でもまだ何者でもなくて。
現代日本の若い男性らしい不器用さ・・・そこに隠れたやさしさ、正義感等の美徳。
平凡だけれども一人一人異なる人間であるわけで。
平凡だけどたった一人しかいない江崎駿也という役をとても自然に演じていたと思います。
有岡君は素直で周りを笑顔にする愛されキャラがバラエティのイメージですが、今年の夏は連続ドラマに並行して出演、片方は主演。
急なキャスティング連続に驚きましたが、この作品の試写に拠るものであるならば納得だなと感じました。
PRの時に有岡君が
「ホラーが嫌いな方にこそ見に来てほしい」
「見る前と見た後では印象が大きく変わる映画」
「アトラクションのような映画」
と言っていました。
有岡君はバラエティなどで言葉選びがたどたどしいような印象が多少あるのですが、それは言葉をまじめに吟味する人だからではないかというのは感じていたところです。
ちょっと普通じゃない言葉でも、素直な感性の正直な表出であることが多いので、有岡君の言葉にはファンとして絶対の信頼を置いているのですが、今回も映画を見たところ有岡君の上記の言葉がすべてその通りでした。
特に「アトラクションのような映画」。
この発言の時滝沢さんはピンと来なかったのか「座席が動くの?」などと茶化していましたが、アミューズメントパークのアトラクションで次から次へといろいろなモノが目の前に現れたり、びっくりしたり・・・なんだかわからないけど楽しいうちに終わってしまう感じ。
一度では全部の情報が処理できず「もう一回!」ってなる感じ。
その通りだなと思いました。
また観に行きます。
ただのホラー映画ではない
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