「トム・クルーズのウェスタン」ジャック・リーチャー NEVER GO BACK Toshiさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・クルーズのウェスタン
1作目が良かった。最近の目まぐるしいカッティングのアクションには辟易しているので、正統派アクションとして観た。旧いアメ車のカーチェイスが懐かしかったし、ジャック・リーチャーというキャラクターも良かった。
さて本作。こういうアクションものは続編が1作目より面白いことが珍しい。本作もご多分に漏れず。カーチェイスは真っ黒の今のセダンで面白くない。昔のダッジでもフォードでも出してくれよ。そういう映画だろ、これは。敵役がショボいのもアクション映画としては致命的。ストーリーがどうでもいいものになってしまっている。
結局これはトム・クルーズの西部劇なのではないか?リーチャーのキャラクターは西部劇の流れ者めいているし、娘とのやり取りは昔の西部劇で見たヒーローそのもの。若い娘にどう対応していいか分からないカウボーイ。それを見守るヒロイン。彼女は現代のヒロインにふさわしく見守るだけでなくタフだが。
トムの柄だとテンガロンハットは似合うまい。馬もどうかなぁ。そうなるとこの手の行き方でやるしかない。
しかし50を越えたトムにはイーサン・ハントよりハマっている。ラストの後ろ姿に多くの西部劇のヒーローの後ろ姿と同じ味があった。月並みな表現だが哀愁を纏っていた。西部劇と感じるのはまさにこの点だ。
もっと練った話で続編を期待する。
私は 前作の日常に潜む敵 (地あげ屋/ギャングとか)と 身内や一宿一晩の 恩義ある人を守る 流れ者が、 今回は リーチャーが アメリカテレビドラマNCISのプロットの中にでてきたみたいで、ジェスロ ギブス (NCISの主役で、プレシディオの男たちの若い刑事を演じた役者さん)の方が早く解決しそうじゃないか なんて感じてしまいました。多分貴殿のいう西部劇のヒーローも一部の人を守るために 町の悪役と戦うから 我らが流れ者ヒーローとなりうるのに 、組織化されすぎた敵と戦うのは どうも ポパイ刑事やギブスのような (はみ出し者とはいえ)組織の人間: 英雄の役目じゃない? 好きなキャラクターなのに 流れ者が出世しようとしたの?なんて感じちゃいました。