名前のレビュー・感想・評価
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娘をなくした独身男と父をなくした娘の疑似親子としての交流を通して、...
娘をなくした独身男と父をなくした娘の疑似親子としての交流を通して、己の生き方を各々が見つめ直し、お互いが前に進んでいくお話。嘘は周りを幸せにすることはあっても自分を幸せにすることは決してないということ、嘘は自分に恐れや焦り後悔をもたらすが、真実はそれがたとえ悲惨でも希望への糧となること等単純なストーリー展開ではあるが極めて心に染みる佳作である。
後味よく観ることができました
チラシや解説、予告編ではミステリーの印象でしたが、主人公2人の背景があきらかになるにつれ、日々の生活の息苦しさが辛く感じられるも、暖かい気持ちになる作品でした 特に主人公の高校生の笑子は多感な時期でもあり、日々の不安や先の見えない焦燥感が伝わり、家族や親子関係が全てではないけれど、何かをきっかけに突破する、自分を変えていこうとする思いが感じられました 女性に限らず10代の時に感じていたこんな思いを振りかえりました ラストにかけて満足のいく展開でした (12月13日 出町座にて鑑賞)
「この人は違います」
見れて良かった。地方に住んでいるので、見たくても劇場でやってくれないのが多いから。
お父さんと居ると本当の自分になれる。好きな事が言えて大胆になれるし、我慢して無理して「笑」顔を作る必要も無い。でも違ってた。そもそも本当の父親じゃ無い。本当の自分は、自分自身の強さの中に見つけるもの。君の父親は亡くなった。俺は本当のお父さんなんかじゃない。そう言われて気がついた。
「この人は違います」
その朝校門で、自分自身の強さが、そう言った。
これ、好きです、とっても好きです。素敵な終わり方だと思いました。
Find your strength in lo〜〜ve.
って言う、とある歌の一節を思い浮かべ、泣けてまいました。
自分を見失った我々に送る人間賛歌
違う名前の複数の人生を演じて生きる男。死んだと聞かされていた父親の存在を知り新たな生きがいを見いだす少女。この二人の交わりがささやかだがポジティブなバイブレーションを生む。
上手く生きられない二人だが、一歩前に進んだことを確信するエンディング。いい気分で帰路についた。
少女を演じた駒井蓮は17歳ですか。彼女の鮮やかな存在感が今作に魔法を吹き込んでいる。
終わり方が良かった
たくさんの偽名を使って生きる男とその男を自分の父親だと思い込んでる少女の話。
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私はお互い自分の娘でホントの父親じゃないこと分かってても家族のふりをして生き続けるっていうラストなんじゃないかって予想してたけどちゃんと最後別れてくれたから良かった。
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この映画そこは現実的だけど、皆おじさんと少女が一緒にいることにちょっと寛容的すぎないか?.
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特に学校まで送っていった津田寛治を先生がお父さん?って聞いて違いますって言う所はそんなん違いますなんて言ったらただの変質者だろって思った(笑).
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絶対警備員に捕まるから見てないでお前は早くその場を立ち去れと思ったのですが(笑).
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♪ティアララルン_ティアララルン_ティアララティアララティアララルン♪
モーツァルト『トルコ行進曲』で有名なのは、安田姉妹。まぁ、一切関係ないけど、作中で、この曲が口遊まれたり、劇伴でも流れるのだが、多分そんなに関係するような曲なのかは不明。繋がりを全く感じなかったので。
序盤までは、これはもしかして所謂ゴースト系のファンタジー作品なのかなぁと思ったのだが、作為的にミスリードさせるような作りになっているせいか、後半のネタバレでの裏切りが意外に心地よい。所謂三段オチの形だ。具体的に言えば、『女の子、座敷童?』→『そっか、親子なんだぁ』→『いやいや、赤の他人!?』って、これはマズいネタバレだ、すみません。
まぁ、それ程、用意周到に練られたストーリー構成ではある。細かいところ、唐突に出てくる位牌や墓、男と娘の住んでいる場所の距離感が、色々な交通手段を使っているせいでサッパリ掴めないので一体どれ位離れているのか?とか、アバンタイトルの住宅展示場での、川瀬の髭が、リアリティが全くない所、主人公男の序盤の神経質さと、それがストーリー展開に全く生かされていない等々、キリがないのだが、一番の分からない点は、娘が演劇部で芝居に出るということで練習中での上級生との軋轢が全然意味合いを持てないところである。娘の学校生活での不安や不満を表現しようとしたのだろうが、なんだかとってつけたような作り、そして演出なので、そこと、父親との関係性のリンクが上手くかみ合わないと感じてしまい、そこが残念なところである。展開自体が興味深い構成だったので、もう少し洗練していればと、かなり悔しい内容であった。原案が直木賞作家らしいので、本当はもっと細部は詰めていたんだろうかな?あぁ、津田寛治は面白い役者なんだけど、やはりバイプレイヤーかな・・・ なんか全部が惜しいんだよねぇ・・・
駒井 漣を見よ!これからが楽しみな女優
公開館がひじょうに少ないが、ちょっとした逸品である。駒井 漣(こまい れん)を見よ! 2000年生まれの17歳女優の演技に引き込まれる。可愛いのはもちろんだが、それ以上の深みがある。おそらく舞台演出もする戸田彬弘監督の意図する演技なのかもしれない。
ストーリー原案は、直木賞も受賞しているミステリー作家の道尾秀介。
主人公の中村正男は経営していた会社が倒産し、様々な偽名を使って、隠れた暮らしをしている。ある日、そんな正男の前に、"お父さん"と呼ぶ女子高生・葉山笑子(駒井漣)が現れる。
"実名"からも、"人生"からも逃げていた正男だったが、笑子のペースに巻き込まれながら、親子のような時間を過ごすようになるが、やがて2人の秘密が明らかになっていく。
主人公の中村正男を演じるのは、津田寛治。先日他界した大杉漣も出演した、北野武監督の「ソナチネ」(1995)をきっかけに、これまで150本以上の映画に出演している名バイプレーヤーのひとりだ。代表作は、テレ朝のドラマ「警視庁捜査一課9係」シリーズの村瀬健吾役かもしれない。
オジサン役・津田寛治と、女子高生役・駒井漣の作り出す空気感。2人の人生経験の差が生み出すバックグラウンドの違いや深みが、おかしなドラマを生み出していく。
女子高生・葉山笑子(駒井漣)は、水商売で生計を立てる母親と2人暮らしの母子家庭。"父親は死んだ"と母親から言われている。学校では演劇部の幽霊部員だったが、ひょんなことから演じることになった役柄を通して、"素の自分自身"を見つめなおす瞬間を描いている。この劇中劇の稽古シーンも見どころである。
テーマ曲となっている「トルコ行進曲」が印象的に使われる。笑子の鼻歌だったり、編曲に変化をつけて各シーンにたびたび使われている。
なんら生活は変わっていないにも関わらず、最終的には、不思議と前向きな気持ちにさせられる2人の関係性に共感する。
(2018/7/11 /シネマカリテ/シネスコ)
ささやかな希望の大切さを教えてくれました。
世界には色々な境遇の人たちの色々な思いが溢れているわけですが、現実的にはこの映画のように交錯することはめったに起きないし、その思いはひとりで抱え続けるしかないのかもしれません。
それでも実は映画ほど分かりやすくドラマチックではないけれど、小さな出逢いを繰り返しているうちに誰かの何がしかの思いを無意識的に選択し、いつのまにか以前より前を向くことが出来た事に気付く人たちもいるはずです。
そんなささやかな希望が描かれているように思いました。
最終回上映後に監督、津田さん、ゲストによるトークショーがありましたが、ラスト近くの津田さん、駒井さんの橋上でのやり取りは台本にないアドリブだったそうです。練り尽くされた脚本だと思っていたので驚きました。
駒井さん、若いけど素晴らしい女優さんですね。
ラストの晴れやかな横顔は海街ダイアリーの広瀬すずさんを彷彿させる輝きを放ってました。それだけでも価値のある作品です。
自分
茨城県の片田舎で接する相手毎に様々な偽名とプロフィールを使い分けて独りで暮らす男と、男の前に現れた偽名のことを知る謎の女子高生の話。
男メイン、女子高生メイン、二人の話と三つのアプローチでみせる流れで、明るく堅すぎず楽しく優しくみせていく。
男の謎というか闇の様な部分は特になく拍子抜け気味、女子高生の悩みや葛藤や正体は有りがちな話だし、余り金がかかっている感じもないけれど、良く出来ていて面白かった。
まさにヒューマンミステリー
懐かしくて美しい田舎の風景とミステリアスで味わい深いストーリー、そして役者さん達の素敵な演技のコラボレーション。
2人の主人公それぞれの心の内側をすごく丁寧に大切に描いて心の奥に響く素敵な作品でした。
そして、津田さんと駒井さん演じる2人の主人公の存在感!
日々悩んだり笑ったりしながら生きてるぼくらのすぐそばにいて、同じように生きてる2人の主人公を、知らず知らずのうちに応援してる。
そしてその2人のすぐそばで生きてる人達もまた魅力的。この作品の世界に浸る2時間弱はとても爽やかな時間でした。
自分を探して
自身の存在意義を問う、問う事から逃げたい、
そんな二人が偶然交差する物語。
映像、何気ない日常と風景描画が素晴らしい、最初から引き込まれました。
駒井蓮さん凄い存在感、ダンディな津田さん、脇を固める役者さん達も何れも良い。
前情報無し身構えもなしでの観賞でしたが、
観賞後久しぶりに爽やかな喪失感虚無感を味わいました。
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