名前のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
娘をなくした独身男と父をなくした娘の疑似親子としての交流を通して、己の生き方を各々が見つめ直し、お互いが前に進んでいくお話。嘘は周りを幸せにすることはあっても自分を幸せにすることは決してないということ、嘘は自分に恐れや焦り後悔をもたらすが、真実はそれがたとえ悲惨でも希望への糧となること等単純なストーリー展開ではあるが極めて心に染みる佳作である。
後味よく観ることができました
「この人は違います」
見れて良かった。地方に住んでいるので、見たくても劇場でやってくれないのが多いから。
お父さんと居ると本当の自分になれる。好きな事が言えて大胆になれるし、我慢して無理して「笑」顔を作る必要も無い。でも違ってた。そもそも本当の父親じゃ無い。本当の自分は、自分自身の強さの中に見つけるもの。君の父親は亡くなった。俺は本当のお父さんなんかじゃない。そう言われて気がついた。
「この人は違います」
その朝校門で、自分自身の強さが、そう言った。
これ、好きです、とっても好きです。素敵な終わり方だと思いました。
Find your strength in lo〜〜ve.
って言う、とある歌の一節を思い浮かべ、泣けてまいました。
自分を見失った我々に送る人間賛歌
終わり方が良かった
♪ティアララルン_ティアララルン_ティアララティアララティアララルン♪
モーツァルト『トルコ行進曲』で有名なのは、安田姉妹。まぁ、一切関係ないけど、作中で、この曲が口遊まれたり、劇伴でも流れるのだが、多分そんなに関係するような曲なのかは不明。繋がりを全く感じなかったので。
序盤までは、これはもしかして所謂ゴースト系のファンタジー作品なのかなぁと思ったのだが、作為的にミスリードさせるような作りになっているせいか、後半のネタバレでの裏切りが意外に心地よい。所謂三段オチの形だ。具体的に言えば、『女の子、座敷童?』→『そっか、親子なんだぁ』→『いやいや、赤の他人!?』って、これはマズいネタバレだ、すみません。
まぁ、それ程、用意周到に練られたストーリー構成ではある。細かいところ、唐突に出てくる位牌や墓、男と娘の住んでいる場所の距離感が、色々な交通手段を使っているせいでサッパリ掴めないので一体どれ位離れているのか?とか、アバンタイトルの住宅展示場での、川瀬の髭が、リアリティが全くない所、主人公男の序盤の神経質さと、それがストーリー展開に全く生かされていない等々、キリがないのだが、一番の分からない点は、娘が演劇部で芝居に出るということで練習中での上級生との軋轢が全然意味合いを持てないところである。娘の学校生活での不安や不満を表現しようとしたのだろうが、なんだかとってつけたような作り、そして演出なので、そこと、父親との関係性のリンクが上手くかみ合わないと感じてしまい、そこが残念なところである。展開自体が興味深い構成だったので、もう少し洗練していればと、かなり悔しい内容であった。原案が直木賞作家らしいので、本当はもっと細部は詰めていたんだろうかな?あぁ、津田寛治は面白い役者なんだけど、やはりバイプレイヤーかな・・・ なんか全部が惜しいんだよねぇ・・・
駒井 漣を見よ!これからが楽しみな女優
公開館がひじょうに少ないが、ちょっとした逸品である。駒井 漣(こまい れん)を見よ! 2000年生まれの17歳女優の演技に引き込まれる。可愛いのはもちろんだが、それ以上の深みがある。おそらく舞台演出もする戸田彬弘監督の意図する演技なのかもしれない。
ストーリー原案は、直木賞も受賞しているミステリー作家の道尾秀介。
主人公の中村正男は経営していた会社が倒産し、様々な偽名を使って、隠れた暮らしをしている。ある日、そんな正男の前に、"お父さん"と呼ぶ女子高生・葉山笑子(駒井漣)が現れる。
"実名"からも、"人生"からも逃げていた正男だったが、笑子のペースに巻き込まれながら、親子のような時間を過ごすようになるが、やがて2人の秘密が明らかになっていく。
主人公の中村正男を演じるのは、津田寛治。先日他界した大杉漣も出演した、北野武監督の「ソナチネ」(1995)をきっかけに、これまで150本以上の映画に出演している名バイプレーヤーのひとりだ。代表作は、テレ朝のドラマ「警視庁捜査一課9係」シリーズの村瀬健吾役かもしれない。
オジサン役・津田寛治と、女子高生役・駒井漣の作り出す空気感。2人の人生経験の差が生み出すバックグラウンドの違いや深みが、おかしなドラマを生み出していく。
女子高生・葉山笑子(駒井漣)は、水商売で生計を立てる母親と2人暮らしの母子家庭。"父親は死んだ"と母親から言われている。学校では演劇部の幽霊部員だったが、ひょんなことから演じることになった役柄を通して、"素の自分自身"を見つめなおす瞬間を描いている。この劇中劇の稽古シーンも見どころである。
テーマ曲となっている「トルコ行進曲」が印象的に使われる。笑子の鼻歌だったり、編曲に変化をつけて各シーンにたびたび使われている。
なんら生活は変わっていないにも関わらず、最終的には、不思議と前向きな気持ちにさせられる2人の関係性に共感する。
(2018/7/11 /シネマカリテ/シネスコ)
ささやかな希望の大切さを教えてくれました。
世界には色々な境遇の人たちの色々な思いが溢れているわけですが、現実的にはこの映画のように交錯することはめったに起きないし、その思いはひとりで抱え続けるしかないのかもしれません。
それでも実は映画ほど分かりやすくドラマチックではないけれど、小さな出逢いを繰り返しているうちに誰かの何がしかの思いを無意識的に選択し、いつのまにか以前より前を向くことが出来た事に気付く人たちもいるはずです。
そんなささやかな希望が描かれているように思いました。
最終回上映後に監督、津田さん、ゲストによるトークショーがありましたが、ラスト近くの津田さん、駒井さんの橋上でのやり取りは台本にないアドリブだったそうです。練り尽くされた脚本だと思っていたので驚きました。
駒井さん、若いけど素晴らしい女優さんですね。
ラストの晴れやかな横顔は海街ダイアリーの広瀬すずさんを彷彿させる輝きを放ってました。それだけでも価値のある作品です。
自分
まさにヒューマンミステリー
自分を探して
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