「カリスマ性」忍びの国 入江さんの映画レビュー(感想・評価)
カリスマ性
金の亡者で人でなし、死者に対する感情もない。そんな虎狼の族たちに微塵も感情移入出来ない。
むしろそんな状況に違和感を感じて、里に対する恨みを抱く平兵衛を応援したくなるほど。
打って変わってお国と無門のシーン。軽妙なやりとりに思わず吹き出す。周りも同様の反応。だが、しかし、ふと冷静になる。この男、虎狼の族だぞ?
相変わらず好きになれない行動原理。しかし、その視線に、強さに、撃ち抜かれてしまう。かっこいい。
だめだ。だめだ。こいつは虎狼の族なのだ。
そう思っても、戦場でのかっこよさと、お国と話す時のギャップにクラクラしてしまう。それは、まさにカリスマ性。
そして、川。常人には何が起こっているのかわからないほど。しかし、それすらもスピードを落としているとは。元はどんな速さだったのか。
作品を通して徐々に変わっていく無門。その目に、表情に、惹きつけられる。変わっていく無門と同様に無門を見る自らの視点も変わっていることに気づく。
最後には、思わず無門に感情移入。なんてひどい奴らなんだ。だがしかし、自分がそんな奴らでないとどうして言えよう。そう考えさせられる。
とりあえず、もう一度見よう。もはや、無門の虜だ。
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