「大野智の恐ろしさ」忍びの国 アルさんの映画レビュー(感想・評価)
大野智の恐ろしさ
無門役の大野智は、監督から「そのままの大ちゃんでいいよ」といわれたとか。とんでもない!あのふわふわした笑顔、癒しのオーラが漂い、滅多に腹をたてることのない彼が演じたのは、人を殺すことをなんとも思わない虎狼の族だった。手傷を負わせた相手にとどめをさすために近づいて行くときのあの笑いは、一体彼のどこからうまれるのだろう。心底狂っている、人間でない生き物の恐ろしさ。ゾッとした。
だからそんな無門が、大切なものを思って人間に戻って行くところは素晴らしかった。哀愁を帯びた澄んだ眼と、少し前までの人を殺そうとする虚ろな眼とのギャップが凄まじい。
そのままの大野智だなんてとんでもない、異次元の演技を見せてもらった。
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