「原作と別物と思って…。」鋼の錬金術師 taiaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作と別物と思って…。
試写会にて観に行かせていただきました。
一応原作ファンですが
原作:2年前に読んだきり
アニメ:2期のみ視聴(1期は苦手そうで未視聴)
という状態なので、正直細かいストーリーは思えていません(ハクロ将軍だれ?てなってしまった)
関係ないですが
漫画:ハガレン以外数冊しか読んだ事ない
映画:洋画のみ、邦画はほとんど見ない
なんというか、27巻の漫画を2時間に抑えるなんてそもそも無理な話だと思って全然期待してなかったので、正直こんなもんだろうなぁと。(結果はともかく、)むしろ頑張っほうかなと。
なので原作ファンの非難轟々については「みなさんそれなりに期待してたのね…」という気持ちもありますが、雑感をまとめたいと思います。落としてから上げる方式。
ストーリー:×
他のファンの方が言及されると思うので短めに。予想していた事なのでショックは少ないです。むしろ思ったより原作のステップを踏んでいて感心しました。あくまで「ステップを踏んだ」だけであり、「沿っていない」のが×の理由なのですが、忠実にシーンだけ切り取って見せたばかりに、そのシーンで伝えたかった事が欠如してしまっているんですよね。批判を浴びている大佐vsラストのシーンは特にそう思いました。
ただ全体的に話の筋は通っていた気がしたので、原作未読の方であれば楽しめるのではないかと思います。
俳優の演技:◯(総合平均)
演出:△
これ、分けて書かないと俳優さんたちにかわいそうだなと思ったのですが、下書きが1回消えて諦めました。
山田くんの感情を堪えようとする演技がとても良い。やりきれない思いに唇を噛み締め唾を飲み込む、涙をこらえる、怒りを露わにする。演技の専門家ではないので偉そうなこと言えませんが、全身で大袈裟に訴えるのではない、細かい表情の変化が素晴らしいです。逆に喧嘩でアルを殴るシーンはぎこちなかったので頑張りどころかなと。俳優さん以外の主演起用はあまり好きではないのですが、彼はもっと俳優として成長してほしいなと思いました。(本職じゃないけど……)
残念なのはヒューズ中佐を除く軍の方々です。私の大好きなハボック少尉とリンがいないのに第五研究室やら大量生産した賢者の石の話やらするのでお察しですが、大佐の部下への愛は微妙な中尉への愛に書き換えられているし見せ場という見せ場が全くない。特に大佐は台詞に対するブツ切りな感情の込め方が見ていてしんどかった。
その他周りの豪華俳優陣は相変わらず素晴らしい演技ですが主人公の引き立て役ポジションでしかないので、ますます見せ場がないまま終わったなというのが正直な感想。大泉さんくらいかな、見せ場があって良かったのは。
映像技術、美術:◯
これは結構良かったですね。イタリアロケの美しさも映えていましたし、キャラクタの再現度も高かったと思います。序盤エドが初めて機械鎧を晒すシーンはその再現度に悔しくもうるっとしてしまいました。悔しい。
錬成シーンは大規模なものと小規模なもので評価が分かれますが武器の錬成やホムンクルスの再生シーンはとても細かく再現されていて楽しめました。逆に真理の扉や人体錬成のシーンは細かいシーンのつぎはぎである事が露呈してしまってもうひと頑張り欲しいと思いました。
あと私は原作のダークな雰囲気と、それに打ち勝ち乗り越えるエド達の強さのバランスがとても好きなのですが、予算と技術の関係か全年齢向けにした関係かわかりませんがダークな演出は減ってい他のが残念です。まあグロくすればいいってものでもないので、この辺は仕方ないかなと思っています。
長々と言いましたがそもそも期待値が低かったので、残念に思うことはありつつもショックが少ないのは救いでした。
まあ実写化の時点で5,4点はあり得ないと思っていたので、それでも頑張った方だよね、ということで。この点数を。