「シャア戦地に立つ!!」機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
シャア戦地に立つ!!
ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』の人気キャラ、シャア・アズナブルとその妹セイラ・マスの過去を描くシリーズ第5弾。
一年戦争の幕開けであり、“シャア伝説”の始まりでもある“ルウム会戦”。
てっきり、バトルに次ぐバトルが見れると思ったら…。
それを期待すると少々肩透かしかもしれないが、それに至るまでの群像劇として見れば見応えあり。
『ORIGIN』は本当に人間ドラマ主体である。
連邦とジオンの戦争が遂に勃発!
まず序盤描かれるのは、ジオンによる悪名高きあの“コロニー落とし”。
最悪の惨事としてファーストではチラッと触れられている程度だったが、こうもまじまじと見せ付けられるとゾッとする。
コロニー内の住人を全員殺し、コロニーをそのまま地球への落下軌道へ。
その被害者数は二次被害も含めると、地球の人口の約半数!
もはやこれは殺戮。その恐ろしさにドズルは苦悩するほど。
コロニー内の若者カップルの恋愛は唐突だったけど、悲劇の犠牲者たちであった。
大きな戦局となるであろうルウム会戦へ向けて作戦を練る連邦、ジオン。
大きな手柄を立てようと意気込む黒い三連星。
コロニー落としを拒否し、降格させられたラル。
一方のアムロくんは…。
養父の容態が悪くなり、テキサス・コロニーに戻ったセイラ。そこで暴動が起こり、先導して戦う。(前作ではほとんど出番が無かったが、凛々しいセイラが見れた)
戦争という混沌とした世界の中で、各々のドラマが交錯する。
そして、ルウム会戦の火蓋が切って落とされた。
シャアも遂に戦火の中へ。
先にも述べた通り、シャアの華麗なる戦いは描かれない。戦いの直前で終わる。しかし、
「私にひざまずけ!神よ!」
通常の3倍のスピードに達した赤ザクの中で、この台詞を発した姿に、ルウム会戦に於けるシャア伝説を語るに充分の凄みであった。