「安彦さんを擁護したいけど…」機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦 たけろくさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0安彦さんを擁護したいけど…

2018年5月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

リアルタイムでファーストを見ていたのは小5の時でした。ミハルの回はとにかく悲しくて泣きました(今でも泣いちゃいます)。
そのあと、TV シリーズを見直す度に新しい発見があって、のべで言えば、20回は見ていると思います。

私が1stに惹かれたのは、「大人の話だな~」って感じさせる、リアルな人間ドラマが描かれていたからです。

ソロモン戦で、ダミーの多さを理由にティアンム艦隊を発見できないとする部下に、ドズルは「それが戦争というものだろうが…」と返しています(苛立ちの感情からではないように感じます)。その一方で、グラナダ(キシリア)への援軍要請を下士官が進言した際はこれを明確に拒んでおり、状況とキャラクターを上手く描いているな…と思いました。

で、今回の作品ですが、今作品への強い違和感は、コロニー落としを巡るドズルらの言動にあります。

実行部隊の「悪く思うなよ…」(予告編にもあったのでネタバレご容赦ください)も軽いし、作戦を正当化する「ドズルの弁明」も軽いです。っていうか、喋りすぎなんです。

多分、作戦の「非人道性」を描こうとしているのだと思いますが、あんな三文芝居では、人間的呻吟は微塵も感じ取れません。

正直なところ、セリフが軽い、キャラクターが軽い、場面が軽い…という違和感は、映画オリジンの一作目から感じてはいましたが、今作品で決定的になりました。

ファースト大好きな私ですし、どちらかと言えば「安彦擁護派(=保守派?)」な私ですが、もし、「ファースト」全体が今後リメイクされるのであれば、ファーストが持っていたセリフ▪場面そしてキャラクターの「重さ」をしっかり再現して欲しい…って思います。

たけろく