「大ガラスはこの国を信じて」相棒 劇場版IV 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
大ガラスはこの国を信じて
「相棒」劇場版第4弾。
唯一見てるTVドラマは「相棒」だけ!…と断言するほど好きだった「相棒」だが、最近はかなり熱が冷め、TVドラマも見たり見なかったり。
でも、見れば面白い、それにずっと見続けてるし…そんな感じで鑑賞。
前作「Ⅲ」は酷評相次いだが、今回は劇場版で一番面白かった「Ⅰ」ほどではないにせよ、なかなか。
重厚ではあったがスケール感に欠けた「Ⅱ」より劇場版としてのスケールがあり、題材やクライマックスの群集シーンなども「Ⅰ」を彷彿。
「相棒」好きな方なら、今回は面白かったと素直に思うのでは。
英国日本領事館集団毒殺事件で少女が一人生き残るが、国際犯罪組織“バーズ”に誘拐され、日本政府は少女を見捨てた。
7年後、生きていたその少女の姿が動画に上がり、バーズは日本政府に身代金を要求する。
国際犯罪の元捜査官と共にバーズのリーダー“レイブン”を追っていた右京と冠城は、70年前にも国家に見捨てられた人物の存在を知る。
奇しくも、都内で世界スポーツ大会の凱旋パレード。
“日本の誇りを挫く”レイブンの狙いはパレードと思われていたが…!?
複雑に交錯する今昔の事件、表向きの目的の裏に秘められた真意…あらすじを追って整理するだけでも一苦労だが、テーマはズバリ、真犯人の立場で言えば、国を思えるか。
真犯人の過去は同情を禁じ得ないが、理解するのは難しい。
国に見捨てられたのだから、国を恨むのは当然の心理。
しかし、真犯人が本当に伝えたかった事は…
我が身を犠牲にしてまで出来るだろうか。
偽りの平和を保ち続け、否や都合の悪い事を再び黙殺するであろうこの国を。
それでも大ガラスはこの国を案じ、信じている。
4代目相棒・反町隆史が劇場版初登場。
熱血そうに見えて飄々としている冠城のキャラは悪くなく、出来れば暫くこの“相棒”で続けていってほしいほど。
専ら5代目相棒に仲間由紀恵が噂されてるが、彼女は思惑が読めない美人上司のポジションの方がいいと思う。
お馴染みの面々、卒業した面々、鹿賀丈史、北村一輝、新人・山口まゆらが揃ったが、今回キャスト面でそれほど印象に残った人物が居なかったのが残念。
それにしても、やっちまったな、イタミン。ナイスリアクション(笑)
テーマや紐解いた真実はいつもながら考えさせられる。
でも、一番知りたくなかった真実は、「相棒」キャストによる相次ぐスキャンダルだったりして…。
(尚、本作に合わせて、これまでレビューした「相棒」シリーズの採点を改めさせて頂きました)