「架線作業員が大変なのはよく分かりましたが、映画の中身は・・・」アルティメット・サイクロン スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
架線作業員が大変なのはよく分かりましたが、映画の中身は・・・
これは間違いなくB級ディザスター・パニック物だろうなと思いつつも、意外とメジャーなキャストも名を連ねていたので、まあその部分である程度は楽しめるだろうと思って見てみたら、なかなかサイクロンがやって来なくてちょっとイライラ、結局嵐になったのは最後の20~30分ぐらい・・・これは完全にジャケ写詐欺の映画でしたね、しかもあんな強烈な嵐でもなかったですし(苦笑)
とは言え、まあ邦題とジャケ写で完全にディザスター映画に仕立ててはいましたが、原題はラインマン(架線作業員)云々の話と謳っているようなので、そこは劇場未公開映画によくある詐欺パターンと思って諦めるしかないでしょうね、こう言う騙され感もある意味劇場未公開物を見る楽しみと前向きに考えて・・・。
結局話のメインは、ラインマンとその家族や周辺の人達のヒューマンドラマと言ったところだったでしょうか。
とりあえずラインマンと言う仕事が、どれだけ大変でどれだけ日々命懸けで業務に勤しんでいるか、そこは間違いなく伝わってきました。
最後にテロップで出ていましたが、こんなに作業中に亡くなられた方がいるとは本当にビックリ、彼らがいるから私達は日々たとえ悪天候の日でも何不自由なく電力を供給させてもらっていることに、改めて感謝ですね。
でも、とりあえずこの映画見ちゃうと、転職するにしても架線作業員は絶対嫌だなと、素直にそう思ってしまいました・・・。
肝心の映画の中身の方はと言いますと、ん~、何と言いますか、大雑把と言うか大味と言うか、いろいろ詰め込んで、最後は無理やり感動に持って行った印象ですかねぇ、けどその強引さに私はいまいちノリ切れませんでした。
サイクロンよりも、ある意味強烈な人間模様だった気も(苦笑)
トラボルタとその姪家族、姪の恋人とその家族、更には姪のストーカーに、トラボルタ家の隣人夫婦、そこに起こる出来事が大雑把に構成されていて、いまいち入っていけないと言うか何と言うか。
特にストーカーなんて話の邪魔以外の何物でもなかったような?そこじゃなくて、もっとパニック物の方に重点を置いてほしかったんですけどねぇ。
隣人夫婦の旦那も行動がアレでしたし、姪役のケイト・ボスワースも老けたせいかあまり可愛くなかったし(年齢設定も微妙)、その恋人の母親役のシャロン・ストーンがお婆さん過ぎて誰だか判別不能でしたし、いろいろと話が投げっ放しだったし、何かと酷い部分が目立った映画だったかなと。
まあ何だかんだでトラボルタおじさんの力業には感動したんですけどね、それでいいのかと、それはそれで疑問なところも・・・。
それより何より、エンドロールのアレはちょっと・・・ラインマンの大変さはよく分かりましたが、それとこれとは別、映画にそう言うのは持ち込まないでほしいです。