「残念」お嬢さん 蝉丸さんの映画レビュー(感想・評価)
残念
途中でリタイアしてしまった。
1番の原因は矢張り、ハングル訛りの日本語が聞き辛く、集中し過ぎて頭が痛くなってしまった事。映画の半分以上は日本語なので、日本語を喋っていると云う理由で、字幕が無いのは正直キツかった。「キル・ビル」のアメリカ人の日本語よりもこっちの人達の方が全然上手いけども、基本的に韓国の俳優が日本人を演じているので、母音や子音の正確さに問題があって、どうしても聞き取れない。聞き取れないと、聞くの止めちゃうから、物語に入り込めないという悪循環が起こった。お嬢様役の女優さんの日本語は1番上手だけれども、日本人の令嬢と云う設定では、たどたどし過ぎて一寸無理。詐欺師の男の役の人は、当時、韓国では日本語の教育はされていたと云う設定では妥当とも言えるレベルだけど、兎に角、1番聞き取り難くて、三島由紀夫的な美文調の台詞を言わせるのは演技的にも無理がある。メイド役の人が1番役に合っていた。映像美は、凄くて、セットも凝っていて、鈴木清順にオマージュしている感じがある分、着物の着付けのナンチャッテ感が本当に残念。お嬢さんの水色の綺麗な着物が、あの当時の日本の令嬢はこんな不格好な着付けはせんだろうと云う位酷く着付けられていて、これがパーフェクトだったら、あのシーンは本当に美しい絵なのにと思った。韓国にも着物の着付けちゃんと出来るコーディネーターはいるのではないか?こう云う衣装と言葉の違和感は、日本人だけが感じるものであって、欧米人なんて微塵も気にもせずにエロい映像美を楽しめる訳で、自分も英語字幕バージョンを見ていれば、もう少しこの映画、楽しめたかも?残念。