「こんな幸福、当たり前じゃない。」アベンジャーズ エンドゲーム さわぢゃもれさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな幸福、当たり前じゃない。
まず、MCUがいかに偉大か、エンタメ史に燦然と輝く一大プロジェクト……いや、歴史的事件であったか。もしかすると、真の意味での評価は後世がするところかもしれない。
これだけは言っておくが、当たり前ではない。こんな幸福な大成功をリアルタイムで目の当たりにできている幸運。それを我々はもっと噛み締めるべきだ。
そして、この映画が、クライマックスの壮大な戦闘シーンにおいて感動の涙さえ誘うのは、日本の我々が子供時代、あるいは現在の子供が、漫画やアニメや特撮の中で活躍するヒーローたちに対して思う「頑張れ!」「負けるな!」そして「カッコいい!」という気持ちを、世界最高水準の技術と演技で作り上げてくれたからだ。トップクリエイターたちが、大人ならではの照れなど一切抱かず、真剣に「カッコいい」と信じて描くヒーローが、カッコよくないはずがない。
キャラクターがどうだ、展開がどうだ、ケチをつけずに見られない人。とても残念だ。可哀想ですらある。世界が今、こんなにも、名実ともに「カッコいいヒーロー」に喝采しているのに、素直にそれを感じられないなんて。それは、この現象、この事件を、一過性のブームの一つとして、当たり前に起きたことのように捉えているからだと思う。
正直、こんなドでかい記念碑を打ち立てて、今後マーベル自身がそれを乗り越えられるのか、それだけが今は一抹の不安として残る。ただ、彼らには実績がある。尋常ならざる期待をいくつも越えてきた実績が。そしてそれを裏打ちしてきたのが、技術や戦略ももちろんだが、その前に、彼らがヒーローたちを愛している気持ちであり、「カッコいい」と心底思って作っているということを、こちらも実感している。だからこそ、絶大な信頼がある。
何度でも言いたい。こんな幸せは、当たり前ではない。この時代に、MCUに出会えて、本当によかった。本当にありがとう!!