リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のレビュー・感想・評価
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いじめられっ子の少年と敵国人の老人の友情もの…ではありますが、やは...
いじめられっ子の少年と敵国人の老人の友情もの…ではありますが、やはり戦時中独特の異様な敵対心や差別がよく描かれている分、日本人には少々痛いです(ジャップのオンパレードだし)。しかし友情よりももっと深く、大切なものが見えてくるような気がします。
リトル・ボーイことペッパー少年は、健気に父親の帰りを願い、司祭様の言葉や超能力を間に受け行動します。リトル・ボーイが投下されたニュースを聞いて「父さんが帰ってくる!!」と連呼するシーンがとても痛々しく愛おしく号泣。僕はバカだ、と思いつつも何かを信じるしかない。神様だったり超能力者だったり自分自身だったり…。ハシモトの「信じるのは勇気がいることなんだよ」(台詞うろ覚えですが;)にまた号泣。
また、完全に個人的な考察ですが、ハシモトが死の危機に瀕しながらも助かった、お父さんも助かった、というのは日本もアメリカも生きながらえた、ということなのかとふと思いました。お互いボロボロに憎しみあい傷つけあい殺しあい、それでも死ななかった、(きっと)友達になれたというのがこの映画の最終的な結論かと。そんな簡単なものでもないのでしょうが……
とにかくいい映画でした。子役たちはもちろん、どの俳優さんの演技も光っていました。
小さな少年の戦争と大きな奇跡
第二次世界大戦下の米国カリフォルニアの漁村オヘア。 「リトル・ボーイ」と揶揄される少年ペッパー(ジェイコブ・サルヴァーティ)の父親(マイケル・ラパポート)は、長兄が徴兵検査に引っかかったがために代わりに出兵することになってしまう。 フィリピンで日本軍の捕虜となった父親に早く帰ってきてほしいペッパーに対して、懇意にしているカトリックの司祭(トム・ウィルキンソン)は、古くから伝わる善行リストをペッパーに手渡す。 そこに書かれた善行を積めば、神の御意により父親が帰還するかもしれない、として。 そして司祭は、そのリストに、町で迫害を受けている、収容所から帰還した日系人のハシモト(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)と友だちになること、ということを付け加える・・・ というハナシで、少年の目を通して、戦闘場面を出さずに、銃後の戦争を描くという、なかなか上手く描くのは難しい題材の映画。 この映画の面白いところは、ペッパー少年が信じているものが、善行による神の御意ではなく、コミックブックのヒーロー&マジシャンのベン・イーグルの能力。 つまり、仮面ライダーやウルトラマンとかと同じレベルのパワー。 その上、件のコミックブックの映画化した際の主演者(ベン・チャップリン)が、ベン・イーグルとして映画とともに舞台での実演を行っており、その実演の舞台でペッパーが(なんらかのトリックにより)超能力を披歴することで、彼自身が超能力を持っていると信じるあたりが面白い。 ということで、この映画、通常の「リスト制覇もの(リストに書かれたことをやり遂げて、何らかの結果を得るというパターン)」に加えて、主人公が存在を信じている胡散臭い超能力で何らかの奇跡が達成するという、ミステリーでいうところのミスリード的な面白さがある。 と、そんな面白がってばかりいられないところもあるのが、この映画の良いところ。 興味深いのは、町で敵視されているハシモトの存在。 かつて『愛と哀しみの旅路』で描かれた第二次大戦下の日系人の境遇。 息子を真珠湾で殺されたひともいて、日系人への憎しみが渦巻く中で、トム・ウィルキンソン演じる司祭のように理解者もいたあたりは、なかなか興味深い。 また、ペッパーとハシモトが友情を育んでいくのも、疎外者という共通点がふたりにあることもわかりやすい。 もうひとつは、タイトルにある原爆としてのリトル・ボーイ。 政府から戦争が終結されれば捕虜も帰還すると知らされたペッパーが、毎日毎日、日本の方角に向かって戦争終結の念を送り、それが、広島の原爆投下と重なっていくというもの。 新聞の見出しに書かれた「リトルボーイ、未知の力を発揮」の文字が勇ましくも、痛ましい。 そして、戦争は終結するも、父親は帰還しない・・・といったあたりの語り口の上手さは、ちょっと舌を巻きました。 その後どうなったかは・・・書かないでおくとする。 監督はメキシコ出身のアレハンドロ・モンテベルデ。 これが長編2作目らしいが、覚えておきたい監督である。
ハシモトさんに助演男優賞を‼︎
司祭さんったら、何でもお見通しみたいに振舞ってたけど、結構テキトーでしたよね。
ペッパーくんの真剣な眼差しに応えるためとは言え、取り敢えずあの場をそれらしく威厳を持って収めるためにあのリスト出しましたね⁉︎
死者の埋葬とかある意味無神経(お父さんのかえりを待っているのに、亡くなって帰還するみたい)だし、家の無い人に屋根を、とか子供一人で出来るはず無いし。さすがに、このままじゃまずいと思って一行書き足したんですよね?
でも、ペッパーくんの信じる力が何かをもたらすだろう、ということは分かってたのですね、きっと(まさかあれ程とは思ってなかったと思いますが)。
色々な偶然もペッパーくんが引き起こしたと思うことで町の人たちは明るくなれたし、思いは通じるんだ、と信じられること自体がとても幸福感に包まれることだと実感出来たのだと思います。
一方、小さな町の大きな喜びが、はるか遠くのある場所では大きな不幸でもありました。国家にとってはどんなに正当化できることであっても、個人単位では不条理や理不尽なものを防ぐことが出来ないという現実も思い知らされました。
でも、希望は国家でなく個人にある、ということをハシモトさんとの交流が教えてくれました。
あの環境下において、卑屈にならず、挑発にも乗らず、淡々と自分の生活を静かに貫くハシモトさんの強さは、ペッパーくんにとっても、我々日本人にとっても救われる演技でした。
アカデミー賞でなくてもいいので、助演男優賞とか頂けないものでしょうか?
名作
映像が明るくて、少年を始め、出演者の衣装がオシャレなので、ポップで軽い感じもするんだけど、クライマックスに近づくにつれ、出演者の演技に胸を震わせました。 お母さんが途中から、星飛雄馬のお姉さんかと思うくらい健気で、もらい泣きした。
海の向こうには日本 広島型の原爆の名前
リトル・ボーイ。「戦争が終われば!」と物語が進み始めた辺りで嫌な予感が。海の向こうの日本に向かってポーズを取り始めた時、ああリトル・ボーイ。。。映画はファンタジーでいいのですが、あの少年は自分の願いが叶ってしまった事で、「リトル・ボーイ」として埠頭から海の向こうに戦争が終われ!と願ってしまった事、今後どう捉えて大人になるんだろうか?と考えてしまう。わたしは日本人ですから。
とても良い
涙腺が壊れたのかと思うくらい涙が出ました。 小さなボクが経験するには大きすぎることだけど好きな人のためにはどんなこたもできるんだろうなあ… またいい映画をヒューマントラストさんで見ました。
リトルボーイ 健気〜 かわゆすぅ 相棒が帰って来て ハッピーエンド...
リトルボーイ
健気〜
かわゆすぅ
相棒が帰って来て
ハッピーエンドだね‼︎
戦争だから
仕方ないけどね
日本人が敵(泣)
ってのが
見てて複雑だった...
原爆の名前が
リトルボーイって本当なのかなぁ?
ハシモト役の人
久しぶりに見たなっ
日系俳優マコが亡くなってから
後釜っぽく
チラホラ出てたような?
流石にだいぶくたびれてたな
悲惨な状況でも明るく素直に生きる少年
アメリカ映画ではあるが、メキシコの監督Alejandro Monteverde(アレハンドロ・モンテヴェルデ 39歳)の演出で、第二次大戦の末期を冷めた観点で映している。往々にしてナショナリズムやヒーロー物語に陥るハリウッドのお手軽B級映画とは一線を画す傑作だ。 西海岸の小さな町オヘアが舞台だ。世界中のいたるところの街と同じように、この町にも貧富の差があり、人種差別があり、いじめがある。体の小さな主人公はその理由だけで苛めの対象になっている。明るい性格の父は息子が小さくてもそのうち大きくなると楽観的だ。息子の小さな変化や成長を喜び、息子を勇気づける。だから息子はいじめに遭ってもひねくれたりいじけたりすることがない。この設定はとても大事で、素直に世界を観る少年の視点が映画を支えている。この小さな町にも戦争の風が吹き、人々はナショナリズムと差別主義に踊らされている。戦争下での愛を説くのはひとりの司祭だけだ。 その司祭の親友が、海岸の家にひとり暮らす日本人のハシモト。やはり差別を受け、暴力を受けるが、復讐などすることなく、毅然と生きている。偶然がいくつか起こって物語が進むのと同時に、少年はハシモトとの交流を通じて世界のありようを少し理解する。そして少し成長する。 配給元の東京テアトルがポスターに「小さな町に起きた奇跡の物語」という謳い文句をつけてしまったおかげで、映画の印象が軽いものになってしまったが、戦争、原爆、人種差別、貧困、いじめ、国家主義、宗教など、現在のアメリカが未だに抱えつづける諸問題を見事に盛り込んでいる。 それでも批判的な映画ではない。厳しい環境の中で素直に生きる少年と、前向きで優しくて明るい父親、それに8歳の少年の意思を尊重し、おおらかに包み込む愛情深い母親。誰にも平等に対等に接する毅然としたハシモト。それぞれの生き方がとても愛しく思える映画なのだ。 広島に落とされた原爆のニックネームがLittle Boy、長崎のはFat Manだ。日本でLittle Boyが爆発したニュースに対する町の人々の反応が、遠く離れた極東の国での戦争に対する一般的なアメリカ人の心情を表している。直後に爆発後の悲惨な映像が映され、その対比に胸が痛くなる。
子供の一途な気持ちにグッとくる。
戦争から帰ってきてほしいダディのためにただひたすら聖書の教えを実行する子供の純粋な姿にグッとくる。不可能と思って何もしなければ何もかわらない。ダメとわかっていても突き進めば周りも巻きこんでいつかは変わるかも。 こんなひたすらな姿に戦争の悲しさも交えながら爽やかに見させてくれる作品でした。
何度でも見たい
とにかく主人公の愛らしさが神懸かってる。 ジャップハシモトとの心の交流、 戦時中のハシモトの立場。 父親を思う健気さに涙が出る。 映像が可愛く音楽が暖かくてCD 出して欲しいくらいに気に入った。 何度も見たい作品。
心突き刺さることや心温まることが詰まった秀作!!
「リトルボーイ」と聞けば、太平洋戦争でアメリカが日本に投下した原子爆弾の名前では
ないかと思い鑑賞した。チビと罵られた少年が、勇気と愛情を抱きながら生きていく。
司祭の作成したリストを自らの力で超えていくその愛らしい少年に涙した。そこで、
チビのペッパーとハシモトの関係が深くなればなるほどペッパーが人間として成長していく過程
が見事に描かれている。ハシモトの存在も、物凄く大きい。話がスムーズに展開し、時に
心を乱されて泣かされ、少年の行動に時に笑わさせてくれる。
監督の名前は存知あげないが、私には「生きる」ことの糧になった作品であることは絶対である。
自分が愛していた父親が、戦争へ行き音信不通となってしまう。(以降は省略)
ラストは、少し残念な幕引きではあったが、監督の少年への演技指導よく伝わっている。
監督は、親日家(日本という国が好き)なのではないだろうか。今後の活躍に、大いに期待大。
ハシモトがペッパーに言った台詞「床ばかり見ているより、顔を上げて…。」というような台詞が私の心を揺らしてくれた。
観る前に思った「リトルボーイ」が原子爆弾の名前であったというエピソードが出てくる。
ペッパー君の背は伸びていないが、人間としての器は、確実に大きくなっていると思う。
少年の純粋さと戦争と宗教と
まず少年の父を想うひたむきな愛情が、ひしひしと伝わる作品。最初は少し大仰に感じた彼の振る舞いも、だんだんと応援したくなり、愛しくなっていきます。 戦争による加害者、被害者という立場を偏ることなく、互いの受けた傷を平等に表現しているところにも好感が持てました。 また神の存在においても同じく、神父や橋本の考えに中立であったところが良かったです。
「いち日本人目線」で観ていました。
戦争を扱った作品でも、いつもはわりと客観的に観ていますが、これはやはり「一人の日本人」として観ていたような気がします。 ヒロユキ・タガワさんの演技が良かった!「ハシモト」さんもいい人でほっとした。日本人が外国人を痛めつけるシーンはやっぱり見たくない。 字幕翻訳が戸田奈津子さんで嬉しかったな~。 名前をスクリーンで拝見するのはすごく久しぶりだったから。
ペッパーの服のセンス
とにかく目を引くのはペッパーの服の着こなしでセンスが素晴らしい。 本人が意識して選んでる訳では無いにしても母親のセンスか。 バリエーションも豊富で映画に出て来る人の中でも一番良い服を着ている。 ペッパーの服装は現代のお洒落な大人が着ているスタイルに何ら変わりはない。 まぁ、50年代のアメリカのスタイルを模したブランドも結構ある訳だし。 ファッション雑誌なんて見るよりもペッパーの着こなしを参考にするベシ! 日本人として素直に感動や楽しめない場面があって複雑な気分になる。 ハシモトとの遣り取りが物語の中心になるかと思いきや何か中途半端。
想いは山を動かす
願えば父親が戦地から帰還することを信じて、8歳の少年が神父に渡されたリストに記された内容を実行して行く話。 小柄で同級生達からいじめられる主人公が、第2次対戦中のアメリカのとある街で敵として疎外され暮らす日本人と交流しリストを実行して行く。 これでもかと言うほど純粋な少年の一生懸命な姿が可愛らしく応援したくなる。 予想を超える様な展開はないけれどホッコリ出来るおとぎ話的な作品。
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