「「坊やだからさ…」」スロウ・ウエスト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
「坊やだからさ…」
恋人を追ってスコットランドから渡米して来た青年貴族ジェイ。荒くれ者に絡まれている所を賞金稼ぎのサイラスに助けられ、用心棒として雇い、旅を続ける…。
あらすじは王道、だけど何故か西部の地を踏んでいるのに、異国(つまり西部ではない)の雰囲気を感じる。
それもその筈、製作国はイギリスとニュージーランド。撮影地はニュージーランドなんだとか。
その雄大な映像美は見もの。
淡々とした語り口、時々シュール、呆気なく人が死ぬ不条理。
あくまで人間ドラマ主体の西部劇。
イギリス人なのに賞金稼ぎ役が似合うマイケル・ファスベンダー、最後の最後でようやくのガン・ファイトもさることながら、それ以上に、はるばる追ってきた恋人の衝撃の事実、そして世間知らずな一応主人公の青年の末路に、あの名作アニメの名キャラの名台詞が哀れに響いた。
サンダンス映画祭で絶賛されたらしいけど、やはり西部劇は、起承転結、勧善懲悪、ベタでもいいからメリハリあるエンターテイメントであって欲しいなぁ…。
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