「鮫が出てくる前までが良かった」ロスト・バケーション Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
鮫が出てくる前までが良かった
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総合:60点 ( ストーリー:30点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
冒頭の主人公が波乗りに興じる主人公の場面はよく撮れていた。美しい自然と透明に光る波と、その中で躍動する女性の姿が素晴らしかった。この部分なら映像と演出との得点は高かったし、ここが一番良かった。
それでこの後何が起きるのかとさりげなく思わせる導入がまた良かった。メキシコなんて女性が一人旅するには危険だし、治安の力も届かない秘密の砂浜で犯罪が起きてもおかしくないと思わせる。実際は鮫の話だと観る前から知っているのだが、もしかして違う展開もあるのかと思わせぶりで期待もあった。
だが鮫が出てきてからどうも面白くない。いきなりB級になった、というよりもともとB級映画だったのかな。鮫の何倍もある食べきれない美味しそうな鯨を手に入れたのに、わざわざ小さな人間にいつまでも執着する鮫の気持ちがわからない。目の前の脂ののった上物の焼き肉が食べ放題なのに、わざわざ苦労してウサギを狩りに行く必要があるだろうか。鮫はなぜそこまで人間に執着するのだろうか。
出血して水も飲めないはずの主人公は日付が変わってもけっこう元気に叫んで泳ぎ回るし、満潮になって沈む岩礁の攻防もたいしたことがなかった。そして結末の鮫の自爆ぶりには呆気にとられた。
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