「砂糖を摂取する代価」シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ ヨコヨコさんの映画レビュー(感想・評価)
砂糖を摂取する代価
公開日に鑑賞。
翌日ならツルコヴァー監督の舞台挨拶があった(@横浜シネマリン)との事、残念。
砂糖をやめるという事はどういう事なのか、気になって公開までの日々を悶々と過ごしていました。
精製された砂糖の健康への影響は多少知っていましたが、日本よりもっと多量の砂糖を摂取するであろうチェコ(砂糖輸出大国とは知りませんでした)の人々の具体的な食、そして砂糖への依存を見て衝撃を受けました。
弊害がこんなにも目に見える形で人体へ出ているなんて。
一度は指摘された砂糖の危険性は、おそらく利権が絡んだ業界のチカラによって「安全である」とアピールされ、今に至ります。(日本でも砂糖を摂ろう、というCMがありましたよね)
人々は安心して砂糖を摂取し、2度と食生活を省みようはしません。そして少しずつ蝕まれ、その弊害は次の世代へ持ち越されてゆくのです。
ひたすら恐ろしい。
映画を観た直後は一切砂糖を摂りたくなくなりました。が、私達の食生活は既に多量の砂糖に塗れており、日常生活を送りながらツルコヴァー監督一家のように、徹底的に排除するのは困難です。
以前、添加物の危険性について書かれた本を読んだことがありますが、その時と似たような恐怖を感じました。
砂糖や添加物を用いない安全な食事を作ることは、実はとてもとても手間のかかること。コンビニやスーパーの惣菜、ファミレスやチェーンのファストフードで提供される食べ物がなぜ安いのか。それは人間の手間を添加物で補っているからです。
対価として、私達は自らの健康を差し出しているのです。
惣菜であれば買う前に、容器の裏を見てみる事をおすすめします。恐ろしい量の添加物がシールに明記されていますから。
砂糖も同じこと。
継続して消費者に購入させるよう中毒性をもたらす味の比率を見極め、砂糖や添加物で味付けし、消費者の健康と代金を対価に販売する。
日本に暮らす以上、砂糖や添加物からは逃れられません。食事に余程の手間と時間とお金をかける覚悟がない限りは。
危険性のあるものを全て排除することは不可能に近いです。ならばなるべく摂取量を少なくするしかありません。
昼食のお弁当だけでも手作りにして、既製品を使わないようにした所、しばらくしてカップラーメンやファストフードが欲しくなくなりました。嫌な味が口に残るのが気になるからです。
ツルコヴァー監督に会えたら、末のお子さんがその後どうなったのか聞いてみたかったです。それこそが答えのような気がして、とても気になっています。