「自分で描いた絵ではヌケナイヨ」グッバイ、サマー よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
自分で描いた絵ではヌケナイヨ
ちっちゃいからミクロなんてあだ名を付けられている中学生の、性への関心の持ち方が可愛い。
描くことが大好きな彼は、裸の女性が脚を開いている自作の絵を自慰に用いようとする。だが、うまく目的を達せられず、そのことを親友に相談する。
相談された親友のほうは、まさかネタが自分で描いた絵だとは思わないから、真面目にそれが体調や精神状態にもよるのだと助言する。
この可愛らしい行き違いは、やはりコミュニケーションが密だからこそ起きるのである。
普通、言葉の行き違いや意味の不足は、交流の希薄な間柄に起きやすい。しかし、彼らのこの誤解を面白くて愛しく感じるのは、彼らが恥ずかしくて他の人には話せないことを口にするほどに親密だからだ。
それにしても、自分が描いた絵をズリネタにするなんて。あり得ないよ。インターネットがなかった時代の中学生はかくも可愛いものだった。
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