劇場公開日 2016年9月10日

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「フルーツ・ビターチョコレートな余韻」グッバイ、サマー ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0フルーツ・ビターチョコレートな余韻

2016年10月20日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

自作の小屋に車輪と50ccのエンジンを積んで少年二人が旅に出る。ハウルも驚くおとぎ話のようなプロットの中にユーモアやセンチメンタリズムをねじ込んでくる、そんなミシェル・ゴンドリーの手腕は今作でも健在だ。

家や学校では、はみ出し者の二人が廃品で車を作っちゃうワクワク感、道中で巻き起こるドキドキ感。それなのに、彼らの旅の出来事を周囲の人が知る由もない切なさと言ったらない!

過度に誇張し過ぎない演出はお見事だし、トンでも珍道中でありながらも、地に足がちゃんと着いた仕上がりになっている点に好感が持てる(散髪シーンは爆笑)。何よりも移動手段を動く家にしたおかげ、終始ウィットに富んだ会話劇が続くのが、実に微笑ましい。

旅が終わり、夏が終わり、成長した少年の背中は何を語るのか?甘酸っぱくも、少し苦い、そんなフルーツ・ビターチョコレートのような余韻をしばし味わっていたい。

Ao-aO