「夢を見るのには理由がるようです。」ひるね姫 知らないワタシの物語 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
夢を見るのには理由がるようです。
久しぶりの神山監督作品。
「攻殻機動隊」や「東のエデン」のイメージで鑑賞しました。
しかし、良い意味でも悪い意味でも、予想をはるかに裏切る結果に…。
これは…
岡山県で、母を亡くし父と二人で生活する、高校生のココネの物語。
自動車修理工場を経営し、細々と平凡に暮らしていた父ですが、突然警察に逮捕されてしまいます。
逮捕の謎を探るために、幼馴染のモリオと出かけるココネは、無事に父を救うことができるのでしょうか?
一方でココネは、普段から眠くて眠くてしょうがない問題を抱えていました。
眠った途端に、別の世界でもう一人の生活を送る彼女は、二つの世界を行ったり来たり。
「眠け」という障害を持った彼女の体には、一体どんな秘密が隠されているのでしょうか?
正直なところ、謎を追求すればするほど、話は複雑化していき、若干よく分からない部分が生まれてしまったように思います。
「攻殻機動隊」のようなハードボイルドでもなく、「東のエデン」のようなサイバーテロでもないため、少し物足りないと感じる人もいるかもしれません。
それでも「夢」を通じて見える、不思議でファンタジックな世界は、これまでとは一味違ったものを感じました。
2020年の東京オリンピックに向けたPR映画のようにも感じますが、素直にストーリーを観ていると、新しい神山監督の作品を垣間見たようにも思います。
普段気がつかない、心の奥に眠る感情が夢の中で自分に訴えかけてくるような、不思議で温かい作品です。
エンディングを主人公のココネを演じた高畑充希さんが歌っていて、とても心地よい気持ちになりました。
ココネのパワフルな声と、高畑さんの心地よい歌声に大満足でした!