劇場公開日 2016年10月8日

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淵に立つのレビュー・感想・評価

全108件中、1~20件目を表示

5.0告白と秘密

2024年4月19日
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鑑賞方法:DVD/BD
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まぬままおま

4.5家族という名の迷宮からの脱出

2017年1月31日
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鑑賞方法:試写会

怖い

知的

世界共通かは知らないが、家族というのは仲良く助け合う、愛と慈しみに溢れた状態が理想とされている。自分自身の経験からも、家族は呪われた呪縛のようでもあるが、同時に心が安らいだり支えてくれたりするものだと思ってきた。

が、『淵に立つ』が提示するのは、そんな常識が通用しない家族の姿だ。家族同士が憎み合ったり崩壊したりする話も世の中にゴマンとあるが、そのどれとも似ていない。なぜなら、そもそも家族はこうあるべきという概念が、この映画にはサッパリ感じられないのだ。

家族という形態に向けた不信感のようなものは、深田監督の多くの作品に共通しているが、常識的な倫理観をハナから受け付けないこの映画は、とても「自由」だし刺激的だ。

普通に共感しづらい物語やキャラクターを、みごとに演じてみせた役者陣も素晴らしいし、ちゃんと自分のビジョンを貫き通した深田監督の作家性にも拍手をおくりたい。

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村山章

5.0対立する概念が混然とよどむ淵に私たちは立っている

2016年11月3日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

説明過多になりがちな日本の商業映画のなかにあって、台詞や表情の控え目なニュアンスで、過去の出来事や人間関係の情報を小出しにする深田晃司監督(脚本も兼ねる)の姿勢が好ましい。観客のリテラシーへの信頼が伝わるからだ。

罪の贖い。過去からの復讐。過ちと罰。宗教観にもかかわる深遠なテーマを、淡々と提示していく。わかりやすい答えを出そうとはしない。宗教だけに限定される話ではなく、“人の業”を考えさせる切実な内容だ。

浅野忠信の浮き世離れした存在感がはまっているのは、近作の「岸辺の旅」などと同様。彼がまとう服の色(白黒から赤へ)の象徴性も、シンプルだが効果的だ。

映像表現の点では、ゆっくりのズームインと音響の繊細な制御が連動した印象的なショットがいくつか。

生と死、加害者と被害者、罪と罰、破滅と再生。一見対立しそうなものたちが混然とよどむ淵に、いまも私たちが立っていることを教えてくれる。

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高森 郁哉

4.0食卓の風景がこの作品の象徴か?

2024年9月29日
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鑑賞方法:TV地上波
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Bluetom2020

3.0三者がそれぞれに立つ罪の「淵」

2024年7月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

〈映画のことば〉
8年前に、蛍が事故に遭って、ようやく俺たちは夫婦になれた。

八坂と利雄との間には、殺人事件の主犯・共犯となるべきどんな過去があったのか、本作は明示的には描いていなかったようでですけれども。

そして、蛍が車イス生活を余儀なくされた原因の事故について、八坂がどんな関係に立つのも明らかにされないまま、八坂が鈴岡一家の前から忽然と姿を消してしまいます。
それが、利雄に対する復讐(彼が鈴岡家を訪ねた本懐)を無事に遂げたからなのか、利雄に対する蛍を手にかけてしまったことの罪の自責なのか、蛍を偶然の不幸な事故に遭わせてしまったことの責任感・贖罪の気持ちからなのか。あるいは、単なる第一発見者に過ぎないのかー。

いずれにしても、蛍が遭った(遭わされた?)「事故」は、鈴岡一家の中に、やがて大きく芽を吹くことになる不幸の「落し種」になったことだけは、間違いがなさそうです。

結局のところ、殺人を行い、被害者の遺族には贖罪の手紙を書き続けている八坂にしろ、八坂の犯行時に、(どんな理由からかは本作の描くところではなかったと思いますけれども)お世辞にも軽いとは言えない加功行為で八坂の犯行に与(くみ)したことを秘めて章江との結婚生活を営み、蛍との生活を送ってきた利雄にしろ、人妻でありながら八坂に不倫の感情を抱いた章江にしろ、主要な登場人物のそれぞれが、それぞれに立っていたのは、それぞれの罪の「淵」ったことは、間違いのないことのようです。

そして、少なくとも敏雄、章江について、かつて自分が蒔(ま)いたタネを自分で刈り取る結果になったという点では、巡る因果の重さ、恐ろしさを描いて、余りがあったというべきではないでしょうか。

そう考えてみると、本作は、充分な佳作だったと言えると思います。

(追記)
〈映画のことば〉
おめえは、本当に小せえ野郎だな。
そんなに俺が怖いか。
俺がクソみてえなところで、クソみてえな奴らの相手をしているときに、おめえは女を作って、ガキまで作ってよ、どうなってるんだ。
その立場が、何でおめえで、俺じゃあないんだ?
…って、冗談だよ。冗談。

幼少の蛍に、手際よくオルガンを指導することで章江の信頼を得るなど、まるで染み込むように、静かに鈴岡一家の中に入り込んで行く八坂のその姿―。
八坂は、どこでオルガンの腕を磨いたのでしょうか。
(服役中でないことだけは、間違いがないかとは思います。刑務所は、矯正教育の一環として職業教育をすることはあっても、精神面での安定を目的として、音楽教育などの情操教育をしているということは、ないだろうと思いますので。)

普段は清楚な服装に身を包み、丁寧な言葉づかいで人当たりは悪くはないのですけれども。
しかし、その上着を一枚脱いでしまうと…。

そして、そもそも、八坂が鈴岡一家に現れた理由すら、判然としない。

その得体の知れない八坂の不気味さを、浅野忠信が好演し、なんとも言えない不気味な雰囲気を醸(かも)し出していた一本でもあったと思います。本作は。

いずれにしても「もんのすんごい映画を観ちゃった」ということは、間違いがなかったようです。

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talkie

4.5贖い

2024年7月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ぷにゃぷにゃ

4.020231025

2023年10月25日
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あきえの八年間がリアル
勝手に蛍の回復を望んでしまった

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riric

4.0まさに淵に立つ話

2023年7月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

監督のLove]Lifeがとても心に残ったので、過去作を観てみた。さらにディープで余韻が残った。ひとそれぞれの淵があるなと思った

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ひぐらし2(ひぐらしから引継ぎ)

5.0蟻地獄に嵌っていく恐怖

2023年2月20日
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悲しい

怖い

知的

紛れもない名作。
"普通"の人たちがそれでも前に進もうとして、自ら不幸に突き進んでいく恐怖。そっちにだけは転んで欲しくないその方向に、物語はどこまでも転び続ける。

進行は淡々としているが無駄がなく、感情描写も端的かつ的確。観ているだけで息が詰まっていく。

視聴後、しばらく茫然自失、動けませんでした。

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wolfgang

4.5家族の形

2023年1月5日
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親の罪に巻き込まれる子ども。彼らの人生を想像すると切ない。
余白が多いので、見る人それぞれ立ち位置の感想が違う映画ですモヤモヤがいっぱい。

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jiemom

4.5浅野忠信の演技が……

2022年12月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

ある男が刑務所を出所後 友人の家族と同居を始めた。彼は真摯に自分の罪と向き合う誠実な人間と思われたが ふと見せたもう一人の人格……。
この男が主人公の家族と生活を共にし始めたという設定も相まって いやぁ〜〜…怖いのなんの…。
洋画にもよくありがちな設定だけど 浅野忠信の演技と言い 顔といい 正に適役だったと思う。この役を他の人がやると誰が適役かな?と考えたら 極楽とんぼ加藤浩次が雰囲気ピッタリかな…と思ってしまった。古舘寛治も適役でとてもよかった。彼の他の出演作品も追いかけてみたくなった。

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こーしっぺ

2.5因果はめぐる

2022年10月18日
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鑑賞方法:TV地上波

浅野忠信扮する八坂草太郎は、出所後 知り合いの鉄工所で住み込みで働きながら家族の中に入り込んだ。八坂は、娘のオルガンを教えたり奥さんのプロテスタント信仰に入り込んだして友人家族の信頼感を得ていたが、殺人を犯した事を告白したものの友人の妻と浮気したり急に態度が横柄になり娘に重傷を負わせ八坂は消えた。

因果はめぐると言うか、悪い事は出来ないと言うか不思議な縁があるものだね。余りいい気持ちで観られるものではなかったな。夫婦間の秘密は程度問題だね。

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重

3.0秘密が交差する負の連鎖

2022年10月18日
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はじまりから不気味さマックスで
物語が進むにつれて得体の知れなさ
が増していく。

浅野忠信のすごみとストーリーの
重さがマッチしてよい。
事実を知ったときののみこめない
感情がリアリティがある。

秘密にしているからこじれていく。
時すでに遅し。
どこで間違ったのだろう。
かといって秘密を明かしたら
解決するものでもない。
なら知らないほうが幸せか。

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to

4.5飲んだことないけどバリウム飲んだような気持ちになった。

2022年10月14日
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飲んだことないけどバリウム飲んだような気持ちになった。

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collectible

0.540分くらいで見るのやめた。

2021年11月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

40分くらいで見るのやめた。

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くそさいと

4.0長さにビビりながら見てみた本気のしるし劇場版が、 地方局の深夜ドラ...

2021年7月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

長さにビビりながら見てみた本気のしるし劇場版が、
地方局の深夜ドラマ発という事情もあってか低予算が見える絵作りながらそれを忘れさせる傑作で、
全く興味がなかったふか深田監督の本作も試しに見てみた。
結果、さすが海外でも評価されているだけのことはあり、説明を省いたスジの流れに引き込まれた。
確かに現実社会で出くわす物事や相手のリアクションがこちらの想像と異なっていて面喰らうことや、
結局何が原因で何が起きたのかわからないことも、珍しいことでは無い。
(映画やドラマだと伏線回収がもてはやされるし、自分も大好物なんですがね)
役者も浅野忠信も筒井真理子(後半、ワザと体型崩した?)はもちろん全員が適切な存在感。
結論として、深田監督の作品を追いかけてみることになりました。

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またぞう

2.0 起こる出来事は結構きつい内容なのに、 どこかこじんまりとしていて...

2021年4月23日
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鑑賞方法:VOD

 起こる出来事は結構きつい内容なのに、
どこかこじんまりとしていて地味な映画。

シーンのひとつひとつもまさに頭と尻尾はくれてやるぐらいの感じで、
もっと後から入ってもよかったのでは?と思える冒頭部分に、
もうこの辺で切って次に行ってもいいのでは?と思える結部分が多用されている。
もちろん故意の手法ではあるのだろうけれど、
どうにもこの映画においてはもっと長く精神を傷めろみたいな悪意のようにしか感じない。
何も感じない人からすれば、ただの間延びした感じにイライラするだけだろう。

ストーリー的には何があったかは綿密には語られないが、
おおよそこういう事なんだろうというのが中盤ぐらいで大体解ってしまうし、
だからこそまだ何かあるのかなと思っていたら何もなく終わっていった。

語られない物事を綿密に描写する必要はないと思うが、
もうひとつやふたつ何か絡まった事情があれば良かったかもしれない。

結局一人の人物の自業自得が全てなので、あまり感情移入も出来なかった。

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Theo5

3.5筒井真理子さん

2021年2月19日
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悲しい

怖い

難しい

全体的に暗い、静か、怖い。

邦画が好きで色々観ているけれど、また救いのない映画を観てしまった。
どう考えてもハッピーエンドにはならなかった。

筒井真理子さんの変わりよう、事件前の色っぽい姿から、介護疲れを全面に出したおばさん体型。女優さんって凄い。太っても憂いのある顔立ち、雰囲気が素敵。

それぞれに俳優さんが他に代わりの人はいないんじゃないかと思えました。

古館さんは地元ローカルCMでは随分前から有名な方です。

たいがくんがまだ初々しい感じ。かわいい。

『ゆれる』にも近いような気もします。

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nekonoko

2.0余韻か、結末からの逃避か

2021年2月12日
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余韻か、結末からの逃避か。
前者なら高評価だろうが、私は後者と見た。
タイプキャストを微妙に避ける役者の好演(太賀と筒井が儲け役)と痛切な物語だからこそ、作り手にはその勇気を求める。
年テン中位。

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きねまっきい

4.0思い出すだけで、、

2021年2月7日
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これまで観た映画で最恐に重い。。
ときどき思い出してはいやーな気分になる
褒めてます(笑

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babydoll