「映画はいいなぁ。」疾風ロンド mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
映画はいいなぁ。
期待値は高くなかったのだが、映画に対する渇望ゆえに観ることにした。
空腹のときには何を食べてもおいしく感じられるのと同様に、映画もそうであるらしい。
もはや客観的には語れないことをお許しいただいて、以下感想である。
サスペンスの構成が簡素なのだが、それでも全編を引っ張っている。これはやっぱり東野圭吾の功績ではないかと思われる。
根津(大倉忠義)と千晶(大島優子)があんなに一生懸命になれるモチベーションの有り様には違和感があるし、例の炭疽菌が入っているビンは10℃を超えると割れるという枷がまったく効いてないうらみはあるが、それでもよくできていたと思う。
ミステリーは複雑であればあるほど、解けた後の快感があるし、我々はそれをこそ望んでいる。
本作はそんなに複雑ではないし、解決後の爽快感も薄いのだが、それでも好ましい作品に思えた。
吉田照幸監督のストーリーテリングのうまさは並みではない、ということか。
やっぱり、映画はちゃんと観ていかなければ、作っている才能ある人々に申し訳ない。
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