「近年稀に見る「もったいない」映画」疾風ロンド だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
近年稀に見る「もったいない」映画
予告編で
かなりユルそうな
雰囲気はしていたが。
観てびっくり。
ユルいどころの
次元ではなかった。
ユルすぎて全くまとまってない。
シャバシャバのカレーみたいだった。
カレーは大好きだし
それぞれの義材も大好き。
なのに料理人の仕上げが
台無しにしてしまっている。
そんな感じ。
物語の中のエピソードも
どれも中途半端。
阿部寛親子の仲違いエピソードは
龍臣くんの「何にも分かってない!!」
の一点張り。
大倉忠義&大島優子の恋愛エピソードは
「お嫁に行けなくなっちゃう」
「大丈夫だよ、俺が責任とるから」
の超古典的なやりとりで苦笑&赤面。
急に始まり、急に一件落着する
ロッジの家族の再生物語は
伏線が弱すぎて完全に
観客を置いてけぼり。
中でもひどかったのが
大島優子とムロツヨシの
ゲレンデ滑走アクション。
結構迫力あって最初は良かったのに
なんで取って付けたような
「アテレコ」入れちゃったかな。
画面の迫力を完全に打ち消してしまう
覇気のないアテレコの存在意味が
全くわからなかった。
とはいえ
最初に言ったように
個々の具材(俳優さん)は
結構良かった。
最近の「ムロツヨシ無双」はすごい。
ロッジでの阿部寛とのやり取りは
ニヤニヤが止まらなかった。
柄本明のバカ所長も良かったし
田中要次にでんでん、野間口徹など
個性派俳優陣が要所を締めてくれる。
だから余計に
阿部寛のディフォルメしすぎの演技や
大島優子の元気いっぱいおてんば娘キャラが
どうにもしっくりこなくてもったいなかった。
エンディング。
スタッフロールが始まってすぐに
帰ろうと思ってたところに
Kー55とすり替わった
フランクフルトが出てきたのには笑った。
しかもそれだけのために出てきた
生瀬さんにも笑った。
監督さん、
欲しかったのは
こういう笑いなんですけどね。
なんとも
「もったいない」映画だった。