劇場公開日 2017年4月1日

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「一人称視点の出汁という出汁を引き出した名作」ハードコア イチイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一人称視点の出汁という出汁を引き出した名作

2017年4月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

お前もヘンリーだ。
この映画が始まった瞬間からお前も、
いや、
お前がヘンリーだ。

一人称視点の映画で難しいのは主人公の感情を表現することだと思います。
三人称視点ならば役者の表情でいかようにも表せますが、一人称ではそもそも主人公の顔が映ることはほぼなく、せいぜい行動から類推・想像させるのが精一杯だからです。
しかしこの映画はそれを上手く扱ってみせました。
主人公のヘンリーの行動を大別すれば、大半が殺人、または破壊です。殺人や破壊は何に由来する行動でしょうか。義憤、嫉妬、憎しみなど色々あれど、根元まで辿ればやはり“怒り”だと僕は思います。また、怒っているのも、そしてその原因も感情の中では比較的分かりやすいとも思います。
ほとんどの行動が分かりやすい“怒り”に起因する――これにより、難しい感情表現をクリアしているのです。
後は主人公との一体感ですが、これについては言うまでもないでしょう。まるで慌てたFPSプレイヤーが火事場のバカ集中力を発揮したような映像、次々と視界を埋め尽くす暴力的なまでのエロ・グロ・スリル。
あなたはもはや日本にいません。何故かアメリカ人が暴れ回るロシアの地をパルクールを駆使して駆け巡っています。

CGに拙さが見られるシーンもありますが、そんなことははっきり言ってどうでも良くなります。なかなかヒドいCGですが。ヒドすぎたので☆が1つないのですが、そんなことはホントにどうでもいい。もうちょい頑張れよのマイナス1でしかない。

この映画を観ろ。
そしてヘンリーになれ。
怒りに身を任せろ。
お前も、お前も、お前もヘンリーだ。

あ、いや、内10人くらいはジミーかも知れない…(笑)

拙い初レビューでしたが、これを見て観に行ってもらえると大変嬉しいです。布教が捗ります。
では。

イチイ