「俺がヘンリーだ!!」ハードコア kuma(白サフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
俺がヘンリーだ!!
ニール・ブロムカンプが監督ではありませんが。色濃くニール・ブロムカンプ監督の作品の匂いを放っています。
近未来SFかつ、直接的なグロエロがあるので監督がニールと言われても騙されそうになるでしょう。盟友シャールト・コプリーもでてますし。
なのでニール映画が大好き!って人にはガッチリ噛み合います。見ないと損レベル。自分は大好きです。
ファーストパーソン・シューティングのジャンルとしてはコールオブデューティのキャンペーンモードをおもっクソリアルにしたものと思えばいいかなと。
最初から最後まで観客はヘンリーになります。
あなたの感情はヘンリーのものであり、ヘンリーの行動はあなたの感情を代弁するでしょう。
最初は怯え、中盤は迷い不安になり、最後は怒涛の怒りをぶつけ、そのすべての感情をシンクロさせることが出来る途方もないアクション映像です。
一人称で体感し続けるということから必然的に長回し風の映像が続き、コレどうやって撮ったの?という興味も尽きません。
カットを挟むことがなければこれは現実なんじゃないだろうかという感覚に襲われます。
ストーリーの内容は見れば分かるのであえて書く気はありませんが、謎がちらほらでてきて置いてきぼり感も喰らうでしょう。ですがそれも作品の術中のうちにハマっていたと、最後まで見れば分かるでしょう。
完全に消化されるので消化不良感は全くありません。
人間の目の情報量というのは恐ろしいもので、私が見たのは2D映画なのですが、痛みもあれば衝撃もあるように感じられ、三半規管がおかしくなるということが誇張抜きで起きました。気持ちいいんですコレが。
3D、4Dでみたらどうなってしまうんだろう。戻ってこれなくなるんじゃないだろうか。
この映画を見たあともまだ現実か映画かわからないままになります。
映画的な評論では推し量れない圧倒的なパワーを持った映像体験です。
心臓が弱い人はやめておいたほうがいいかもしれません。一時間半アドレナリン出っぱなしです。誇張ではなく中だるみがまったくないのです。
あなたがヘンリーになります。
そして見たあとはタイトルどおり、俺がヘンリーだ!!となっていることでしょう。