ハードコアのレビュー・感想・評価
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スーパーヒーロー映画の方向性を変えるかも知れない!?
飛行機から脱出ポッドで落下→落下地点のハイウェイで銃撃戦→カーチェイスしながら並走するバンにマシンガン乱射→高い橋のアーチ部分を伝って逃げる相手に肉薄→ヘリコプターからロープでぶら下がり飛行、高層ビルから地上めがけてジャンプ、等々、この映画用に開発されたゴープロカメラをヘルメットに装着して究極のPOV映像をゲットしたのは、監督と撮影スタッフ、そして、時々スタントマン。そりゃそうだろう。グルーヴ感溢れるビジュアルの中には下手すると命を落としかねない際どいシーンも幾つか、否、たくさんあるのだから。おかげで、観客は主人公の視点に自分の視点をダブらせ、ゲーマー感覚で全編を全うすることができてしまう。結果、見終わって誰もが気づくはずた。一人称視点に下手なスターはいらないと。これはある意味、スーパーヒーロー映画の方向性を変えうる出来事かも知れない。
生々しさと臨場感に満ちた激走アクション
英語とロシア語が入り乱れ、一体これがどこの国籍を持った映画なのか、そして主人公が置かれた状況すら分からないまま物語はスタートする。映し出されるのは全て主観映像。観客の目線はどうやらこの、腕と足を機械化された男の目線と同化したまま、最後の瞬間まで共にひた走る運命にあるらしい。
注目したいのは繰り出されるアクション映像の凄まじさ。そしてワンシーンの息の長さ。VFXの恩恵も借りながら繁華街や高速道路を縦横無尽に爆走して、建物をよじのぼり、飛び降り、ようやく車内で一息ついたかと思うとまたピンチに見舞われ・・・。地獄の果てまで追いかけてくる敵を殲滅しながら、主人公は、いや観客もまた、息も絶え絶えになりながら逃亡劇を続けることになる。映像は多少の手ブレがあるものの、それ以上に臨場感と「どうやって撮ってるの?」という興味関心が先行し、一向に飽きさせない。好き嫌いは分かれるだろうが、ゲーム映像とも違う、生々しい肉感を持ったアクションと言えそう。
【”Don't stop me now"全編、改造され怒りに満ちた男の一人称視点で描かれた近未来エログロバイオレンスムービー。随所で描かれるチェンソーマンを彷彿とさせる映像と世界観が、堪らない作品。】
■見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリー。
科学者である妻・エステル(ヘイリー・ベネット)は、彼が大事故で絶命し、サイボーグ化することで蘇ったと告げながら、彼にを人造の手足を装着していく。
だがそこに謎の組織を率いる超能力を操る男・エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)が乱入し、エステルを連れ去ってしまう。
ヘンリーは妻を救うべく立ち上がるが、彼をジミー(シャールト・コプリー)という男が助ける…。
◆感想
・今作は、余り頭を使わずに、ヘンリー視点で描かれるノンストップ、エログロバイオレンスシーンを楽しむ作品である。
・劇繁も、冒頭のストラングラーズから始まり、格好良い曲が流れる中、映像は時折バグったりしながら、只管に近未来ロシアと思われる場所でのエログロバイオレンスシーンが、展開される。
ストリップ小屋での裸身の女たちと裸体の太った男の姿が、ぐちゃぐちゃになって行く様。
・エイカンに操られたロボットと化した人間達の軍隊。
<エステルの真実の姿が露わになる再後半と、随所で描かれる何処か<チェンソーマン>を彷彿とさせる映像と世界観が、お好きな人には堪らない作品であろう。>
良かった
サイボーグ化した主人公がとある組織と戦う話。
•グロ描写が多めだった。一人称視点という初めての経験だったが、結構楽しめた!音楽のチョイスも良かった!
•ただ、終始似た映像が続いて最後の方は飽きがあった。
これVRゴーグルで観たら
観終わった時には息絶えてる自信あるわ。
サイボーグ化された主人公が追手エイカンの一味から逃れる際に、自分の体の再生化を担当していた研究者の妻エステルと離れてしまい、妻を奪還するためエイカンを追う。
途中、研究者のジミーと名乗る男が手助けをするも、エイカンが送りこんだ追手の手にかかり死んでしまう。
次々に現れる追手から逃れつつ、妻を探すヘンリーは妻を無事救うことができるのか。
というお話を、一貫して主人公ヘンリーの目線で物語を進行させていくのがこの映画のミソ。逆に言うとそこを除いてしまうと、まあええやんこの映画はそこがウリやもん。
その一人称視点を最大限に活用してハラハラを演出していく。追手の狙撃手が見えないところから急にライフルで狙ってきたり、そこ曲がったらおりそうやなーと思ったら反対から攻撃してきたり、逆にある人物をパルクールばりの軽業を駆使しながら追いかけっこをしたり。これを追体験できる。
正直序盤はホンマにサイボーグなんかいなと思うほどの平凡な身体能力でなかなかまどろっこしい。生身の人間相手に後を追いかけるもなっかなか追いつかずイライラする。なんならちょっと置いていかれそうになる。キミバトルサイボーグなんちゃうんかい!とケツを叩きたくなる凡庸っぷり。
中盤以降ようやく無双とまではいかんけど、まあまあええ感じで敵をバッタバッタと倒していくんだけど、ここでおや?この情け容赦ない殺戮描写はアメリカの作品やないな、と気がつく。まあアメリカも半分入っているけど基本ロシア映画、んーなるほど。
命の重さがめちゃくちゃ軽い。しかもえげつない死にざまが多い。おそロシア全開である。
これが一人称目線で目の前で展開されるわけで、冒頭言った通りこれをVRゴーグルで観たら途中で泡吹いて死んでるやろなと思う目の前グロ描写多し。
更に、私は三半規管イカレているので全く平気だったけど、POV映画お約束のPOV酔いもこの映画はかなり酷そうな気がした。特に終盤のバトルシーンは尺が長い上に動きが激しくて、更に困ったことに敵を探すために右見て左見てって頭を頻繁に振るもんだから三半規管イカレ野郎でもちょっとゲェ~ってなった。ここは要注意。
とにかくこの一人称視点で殺戮マシーンを実体験しましょう、という試み。この一点突破こそこの映画の醍醐味なので、ストーリーとかそんなん知りません。
そこに興味のある方のみお楽しみください。
くれぐれも、おそロシア描写に耐性の無い方は手を出さないようにお気を付けください。
落ちつく隙がなかった
もっと単純な話にした方が良かったかも。
新しい映像体験のよう
これは想像を超えた、全く新しい作品でした。
FPSがそのまま実写映画になったようで、最初のSF設定からしてもう完全にゲームです。
視点構成から主人公はもう観客自身でしょう。
奥さん役の先生が素敵だなぁって見てたらヘイリーベネットでびっくりでした。
地上への降下から始まって、銃撃・カーチェイス・殴り合い・パルクールと目まぐるしくまさにジェットコースタームービーです。
先の展開が全然読めないので、とにかく目が離せません。
全編POV形式で、しかもワンカットにしか感じない映像でした。
また、すごいのがこの監督。
モスクワのインディーバンド(なんとガンズの前座も!)、そのフロントマンなんですよ。しかも本作のスタントにも参加しているようで二度びっくりでした。
演出や映像に音楽にも、いわゆる映像畑とは違ったセンスを感じるのはそこら辺でしょうか。
ただ人よっては観ていて疲れるかもです、余りにも目まぐるしい。私自身観賞後少し疲れを感じました。
迫り来るような映像の連続なので、息つく場面がほぼないんですよね。
いやーそれにしてもこれは劇場で観たかったですね。それだけが残念でした。
新しい映像体験のようで、本当面白かったです。
ただし好みはスパッと分かれるでしょうね。
脚本と演出がシニカルに結託した傑作カルト映画
「全編一人称視点!」というセンセーショナリズム一辺倒の他愛ないアクション映画かと思いきや、脚本と演出がシニカルに結託した傑作カルト映画だった。ホントに感動した。
まずそこいらのB級とは格が違うのだと宣戦布告するようにオープニングクレジット画面を埋め尽くすグロ映像。それが何かもわからないまま本編が始まる。
病室のような場所で目覚めた主人公。彼には記憶がなかった。もっといえば口をきくこともできなかった。彼は改造人間だった。要するにこの主人公は我々観客そのものだ。「映画は"観る"から"シンクロ"する時代へ」というキャッチコピーが示す通り、我々は出自と口を持たない彼にアイデンティティを重ね合わせながら、襲い来る数多のスリルを生々しく体感していく。
映画は全編にわたってGoProで撮影されているのだが、動作主体がおそらくパルクールに精通した役者であることはほぼ確実だ。ビルの壁面をひょいひょい登っていったり、橋の上を命綱もつけないで疾走したり、恐怖中枢マヒしてんじゃねえの?と不安になる。そういえば本作は米露共同制作だったな…(ロシア人は他民族に比べて恐怖を感じにくいという俗説がある)
さて、主人公はあるミッションを課されていた。それはロン毛のサイコキネシスト(書いてて笑ってしまう)から自分の妻を助け出すこと。彼はある男たちの力を借りながら敵組織の核心へと近づいていく…んだけど、この「ある男たち」の正体がすごい。
あるところに一人の科学者がいた。彼はサイコキネシストに背骨を折られ、身体が不自由になってしまった。そこで彼は、空洞の肉体に意識を飛ばして操作する科学技術を開発した。そしてサイコキネシストから自分の妻を奪還しようとする一人のサイボーグ人間を陰からサポートすることにした。そう、主人公を先導する「ある男たち」とは、実は一人の身体の不自由な科学者だったのだ。なんだか湯浅政明『カイバ』みたいな話だ…
冒頭のグロ映像もそうだが、本作は説明の欲求を限界まで抑制している。それにより万物が主人公の視界によって局限されているという一人称性がさらに強調される。確かに、わけわからん事態に巻き込まれたときって実際こういう感じだよな…すごい後にならないと全体が見えてこない。
なんだかんだでついに敵組織の懐中に潜り込んだ主人公だったが、そこで驚愕の事実を告げられる。実はサイコキネシストと妻は結託していて、彼はその壮大などんでん返し劇に欺かれていたのだ。彼は妻の夫などではなく、他にいくらでも代替可能なロボットに過ぎなかった。この代替可能性はメタ次元においても同様のことがいえる。つまり我々受け手一人一人のアイデンティティを容易に、無尽蔵に受け入れることができるというのは、彼がどこまでも自意識の希薄な容れ物に過ぎないことの証左だ。
自らの代替可能性に絶望した主人公はひどく落胆する。そのとき彼は不意にガラス片に映り込んだ自分自身の顔を目撃する。それはもちろん彼自身の、彼しか持ちえない顔だ。他のロボットの顔でもなければ、我々のような画面外の闖入者たちの顔でもない。ここではじめて彼は自我を獲得し、眼前のできごとを自分ごととして再認する。本作は「全編一人称視点」と銘打たれているものの、厳密にいえばここで我々は彼の身体から放逐されている。
そこから先は暴力の応酬といった感じで、主人公はようやく捕らえたサイコキネシストを惨殺。それからヘリコプターに飛び乗り、必死の命乞いをする妻(笑)をドアから蹴り出す。指だけでヘリコプターの縁にぶら下がる妻を見下しながら情け容赦なくドアを閉める。終わり。あまりにも気持ちよすぎる…
一人称視点だからなんだっていうんだよ…という身も蓋もない疑念がここまで綺麗に晴らされるとは思わなかった。「映像は新奇だったけど脚本はゴミ」みたいなレビューが散見されるけど、「お前らはいったい何を見てたんだよ!」と柄にもなく説教したくなってしまう。
これはすごいな
勇気はほめたい
原型(プロト)ベイビーキモすぎワロタ
男が目覚めるとそこには自分の妻と名乗るエステルという女性が。
絶命した自分をサイボーグ化させ蘇らせたという彼女だったが、その研究室に敵のエイカンが現れ彼女を誘拐してしまう。
いきなり追われる身となった男は、次から次へと現れる敵を倒しながら、彼女の救出とエイカンのサイボーグ兵士計画を阻止すべく立ち上がる。
いやー、凄いものを観てしまった。
終始一人称視点で撮られた、まるでFPSゲームのストーリーをプレイしているかのような映像。
これは映画なのか…?新しい映画の形ですね。
とにかく走る走る走る。走って逃げて戦って。
若干酔いそうな激しい一人称視点。
息を吐く間もないほど、どこからでも襲いかかってくる敵。
仲間なのか?敵なのか?
いきなり地獄へ落とされた男の気持ちが自分へ憑依してくる、没入感半端ないって。
銃にナイフにバットに刀と武器が様々で、アクションやパルクール、設定もやりたいことてんこ盛りって感じ。
これどうやって撮ったんだろうっていうシーンが多くて、少しメイキング見てみたけどそれでも納得できない。いや、すごい。
ゲームはあまりやらない方だけど、これは面白かった。
グラセフとかやりたいな。
ラストのアクションは圧巻。
エイカンが強すぎて、その割に最期は呆気なくて。
衝撃の真実をぶっ込んでからのなんとも皮肉なラストシーン。
ここ最近観た中ではダントツの暴力映画ともあって、人体損壊描写もエグいので無理な人は気を付けて。
テンポ良く敵との攻防を繰り返すのは全く見飽きないんだけど、逆にアクションだけでヒューマンドラマはあまり中身ないので、そこをもう少し作り込んで欲しかったかなと。
クローンのところも複雑すぎてよく分からなかったし。
容赦ないアクションに頭空っぽになるので、あんまり頭使う映画じゃないのかもしれない。
ディストピア感がすごく、シリアスな世界観ではあるが、笑える部分もちょいちょいあった。
大人のおもちゃとかジミーのパンイチ銃乱射とか草木カモフラージュジミーとかシュールで笑える。
VRがあるならゴーグルつけて観てみたいですね。
手ブレ映画
目が回るぐーるぐる
パンク漬けの執拗と過剰。
人を選ぶが自分は好き
アマゾンプライムにて鑑賞。
ゴア描写がなかなかに気合が入っているので、苦手な人は多いと思う。また戦闘シーンはめまぐるしく動くので画面酔いの恐れがある。逆にこれらがOKだよって人は他の映画ではなかなか味わえない映像が楽しめる。
多くの人が言っているが、まるでFPSゲームをそのまま実写でやってるような内容に感じた。登場人物から「俺についてこい」「○○へ行って○○に会え」といったゲームあるある台詞を何度も言われるところも拍車をかけている。シナリオはそこまで深みはない。
本作は、この何かのゲームで見たことがあるシナリオを、難しく考えず、映画として受動的に戦闘シーンを楽しむのが一番の楽しみ方だと思う。これはゲームという能動的な娯楽では味わいにくい楽しみ方(どうしてもプレイスキルによっては映像に集中できない人もいる)だろう。
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