「俳優ゴリ押しもない。脚本も悪くない。だが、STEINS;GATEの二番煎じである。」君と100回目の恋 鳳凰院凶真さんの映画レビュー(感想・評価)
俳優ゴリ押しもない。脚本も悪くない。だが、STEINS;GATEの二番煎じである。
自分の大好きな作品、STEINS;GATEのテーマと似てるところもあり、比較要素として3次元の邦画を鑑賞しに久々に映画館へ足を運んだのだが、簡潔に内容を言うと、『1%の壁を超え、シュタインズゲート世界線へ行くことのできなかった少年少女のお話』である。
過去へ戻れると言うレコードを持つ少年リクと、この世界線で死亡してしまう運命にある幼馴染のアオイ。
過去へ戻る装置を持つ者が幼馴染を助けるために時間軸を旅すると言う、どことなくSTEINS;GATEの物語に似ていると感じた。
結論から言うと、演技は棒棒アンド棒だったことは置いておいて、最近の恋愛映画によくある「はっぴぃえんど」などと言う最高に寒いエンドにならず、精神論で運命が変わったり、2時間と言う短い時間で端折る部分を間違えることはあまりなかったといえる。(多少腑に落ちない部分もありはしたが)
ただ、やはり主人公の視点が定まらず、自己投影に至るまではいかなかった。ご都合主義のお涙ちょうだい設定は日本人には必要不可欠なものなのか。。
これもシュタインズゲートの選択なのか…
登場人物も少なく、サッパリと終わることが出来たのだが、それ故、内容がやはり薄くなってしまっていた。伏線という伏線もなく、平坦な通常運転といったところだろう。ただ、最後の曲は良かった。さすがmiwaである。
また、仕事で音楽を奏でているmiwaにとっては、感情ひとつで演奏をやめ、会場飛び出すという行為は苦痛以外の何もなかったであろう。見ていて少し心が痛んだ。
自分を騙せ。世界を騙せ。この狂気のmad scientist鳳凰院凶真にとっては造作もない!!ということであったが、リクにはそれが出来なかったようだ。。映画だから仕方ないのだろうか。
以上のことを踏まえ、☆を3.5につけさせてもらった。少し高めだと思うが3だと少し少ない気もする。
タイムリープという難しい題材の中、邦画の中ではよく頑張った方だろう。