「花の中には仏さんがいてはる」花戦さ fukui42さんの映画レビュー(感想・評価)
花の中には仏さんがいてはる
冒頭専好が、河原で小石を積んで花を生け、死者に手を合わせる。
ここからもう、すーっと、心がつかまれました。
シンプルな中に、人間が大切にしなくてはいけない心がこもっている気がして。
前半は京都ならではのはんなりした言葉が飛びかい。また「人の加をを覚えるのが苦手」な茶目っ気たっぷりの専好が、くすっときて楽しい。織田の岐阜城で会っている利休の事すら覚えてない。
「私は物忘れが激しくて」と専好が言うと、「私は目立ちませんから」と返す利休。くすっ。
そして後半は利休と秀吉の対立がきっかけで、ガラッと様子が変わるところは、力が入りました。
「武人たるもの茶と花を、人の心を大事にせよ」by織田信長。
いつの間にかこの言葉を忘れて、暴君と化した秀吉(そんなイメージなかったけど)。幼馴染まで粛清された専好はもう黙っていられない。
「花をもって太閤殿下を、お咎めする」。
まさにタイトルそのもの。そう意味なのね。
萬斎さんの表情豊かなで穏やかな仕草の専好が、実にいいです。ぴったり。猿之助さんの秀吉の憎たらしい所も。
仏もお茶もお花も全くたしなまないのですが、十分楽しめました。
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