「Fate/stay nightの裏街道かつ集大成」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] I. presage flower かがみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0Fate/stay nightの裏街道かつ集大成

2018年7月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

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極上の映像美で紡ぎ出されるFate/stay nightの裏街道かつ集大成。軋み始める聖杯戦争。他ルートで華々しい活躍を見せたサーヴァント達が次々と退場していく背後で蠢く不気味な影。

原作ゲームの共通ルートに当たる聖杯戦争導入部分を大胆に省略する一方、原作にはない士郎と桜の馴れ初めの前日譚が丁寧に描かれており、視聴側が間桐桜というヒロインに自然に感情移入できるようになっている。

明確なパーソナリティを持つセイバーや凛に比べて桜ちゃんという子は凄く難しいと思います。朗らかで健気な「明」の部分と、ドス黒く業の深い「暗」の部分の微妙なバランスの上を綱渡りするように彼女は日々を生きている。けれども、その危うさこそがまさに桜ちゃんの持つ特異的な魅力だったりもするわけです。

そしてもう一つの見所は慎二の描かれ方でしょう。自己愛に塗れた度し難いクズっぷりは原作同様に相変わらずですが、映画ではその裏にある士郎に対する幾重にも屈折した甘えにも焦点が当てられているのは注目すべき点です。

かがみ