「Google Earthがもたらす視点」LION ライオン 25年目のただいま 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
Google Earthがもたらす視点
長距離電車に偶然乗り込んでしまい、家から遠く離れたカルカッタで孤児として保護され、オーストラリアに養子として渡った子どもの数奇な運命を描いている。インドは複数言語が存在するために小さな子どもでは意思疎通が測れないこともある。ストリートキッドと間違われて孤児院に預けられるとオーストラリアに養子として南半球にまで行ってしまう。
とても良い夫婦にもらわれた彼は幸せに暮らし、立派に成長したが今もインドのどこかで帰りを待つ母がいある。そんな母を探し出すために、おぼろげな記憶とGoogle Earthで故郷を探し出す。
物語も感動的で良いが、テクノロジーと視点について考えさせられた。Google Earthというのは改めて、世界を狭くしたというか、繋げたというか、とにかく人に超俯瞰的な視点を与えたのだなと思う。視点という点から考えると革命的なサービスだったのだなと改めて思わされた。映画は視点の置き方が非常に重要な媒体だが、Google Earthのこの超俯瞰的視点をここまで重要な要素とした扱った映画はこれまでなかったかもしれない。
コメントする