「獅子」LION ライオン 25年目のただいま ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
獅子
映画としては想像以上の事は起きないが、そもそもこれが実話と言うのが日本人の感覚でいくと想像を越えている。
主人公サルーは本当に運が良かったけど、路上で死んでいったり危険な仕事を余儀なくされて命を落としたりした子どもたちは数えきれないほどいるんでしょう。
しかも、そういった子どもたちは数が多すぎて映画にもドラマにもならない。
1986年といえば先進国は一番贅の限りを尽くした時代だし、そういった現実を満たされた側が直視することは確かに難しい。
でもこの映画の里親夫婦の考えが100%正しいとは言えなくても、同じ世界に生きている以上は目を向ける必要のある問題だなと改めて認識した。
映画そのものに話を移すと、冒頭にも書いたように無難中の無難。
稲尾、権藤、杉浦かというレベルで英語圏に於けるインド系登場人物を演じているデヴ・パテルは安定感抜群だし、幸薄美人世界選抜のルーニー・マーラは相変わらず幸薄いが、この手のファミリー層も観る映画でも限界までその美乳をさらけ出す姿勢には本当に感謝しかない。
途中何度も泣きそうになるが、本当に泣けるのはエンドロール前最後に出てくる文字。
この演出は素晴らしかった。
ちゃっかり「Google」の文字を見切れさせるGoogleさんが嫌いじゃなければ、ほとんどの人が楽しめる映画だと思います。
帰り、自分の車をどこに停めたかわからなくなって、ちょっと主人公の気分を味わいました。
そして行ってみたかったカレー屋さんをGoogleマップで探して行ってきました。
Googleさんありがとう。
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とりわけ前半部分の冷静な認識,共感を覚えます。到底映画のネタにならない日常的な悲惨への想像力も持ちたいものです。また国際養子縁組をごく一例として,ボランティア活動の現場は,美談なんて一部分に過ぎないことを,改めて実感させられた映画でもありました。