劇場公開日 2017年4月7日

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「グーグル万能伝説」LION ライオン 25年目のただいま フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

グーグル万能伝説

2017年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

迷子のインド人がグーグルアースで実家捜し当てる話

インドの貧しい生活ゆえに子供の頃から盗みや仕事をしなければならない環境が冒頭で描かれる。
迷子になってから大人主人公のデブ・パテル登場まで30分位使って丁寧に幼少期と新たな家族との出会い、
などで物語が進むのだが、大人編になってからは丁寧さよりルーニーマーラとの出会いやニコールキットマン達の会話が中心で
主人公の設定がぼやけていたように感じた。

大学だか専門学校だかに行っていたのはわかったが、その後、ホテルの支配人?とかになったようだが、いつの間にか辞めてるし。
生みの親や故郷のことを思って心を痛めるが、頑なに彼女や友人の助けは借りずに一人でふさぎ込む。
何かしらの葛藤などがあったのだろうが、見ていてはっきりしないのが若干イラっときた。

本気で探したいなら協力してもらえばいいのに、今の親達に申し訳ないと感じていた様だが、その辺の心境があまりわからなかった。

フードをかぶり、部屋で延々グーグルアースしたり、兄の幻覚が見えたり、精神的に参ってる感じはあったし、くすぶっていたけれど
あまり主人公の汚い所や努力したところが描けていなかったように思う。
前半のインドとかは丁寧だったのに後半は今どこに居て、何年なのか、どんな生活いているのかなどが雑と言うか表面上しか描かれていなかった。

育ての母が「子供は持てたが、持たなかった」と言っていたがあえて主人公達を育てようと決めたのだとわかるシーン。
感動的だが、何で子どもを産まなかったのか。何んとなく親から性的虐待でも受けてたのかなと思わせるが、しっかりとは言わない。
その辺は察してくださいとの事だろうが、せっかくいいーシーンなのに逃げ腰なので感動が半減してしまった。
「子供を産むより、困ってる子供を育てたい」ご立派は意見だが、なんだか釈然としないのは自分だけだろうか。

最終的に故郷を見つけ出すのだが、見つける方法もまさかの展開で、「そんなんで見つかったの!?」と言いたくなった。
実際の話なのだから仕方がないが、あまりに味気ない。
奇跡の物語だと言ってしまえば本当にそれだけだ。
シンプルな話を何とか引き延ばした印象が否めない作品に思えた。

この作品、インド側からすればめちゃくちゃ不名誉なのではないだろうか・・・あまりにずさんな生活や管理体制をありありと映し出している。

グーグルの宣伝映画の様に思えるふしもあったし、年間何万人もの子供が行方不明になる国にしては稀な出来事でまさに軌跡だと思う。
ただ、悲惨な出来事と言うよりはむしろ運がよかったねってな話でまとめているなが気に入らなかった。
まあ、それだと客が来ないし、しかたないとも思ったけれど。

めちゃくちゃ面白いとは言えないし、仰天ニュースとかで短めのドラマになるだろうから話を知る分にはそれで充分な映画

劇中セリフより

特になし

フリント