「グザヴィエ・ドランの作品で一番好き」たかが世界の終わり(2016) ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
グザヴィエ・ドランの作品で一番好き
グザヴィエ・ドランの監督作は本作で全部見終わった。個人的には「マミー」を超えて彼の作品で一番好きな作品となった。
ストーリーは寿命が残り短いゲイの息子が帰還しての家族の様子を描いたもの。
グザヴィエ・ドランは他の作品でも"不器用で少し変わった人たちの不器用なコミュニケーション"を描いている。本作はそれを彼の演出の力で見事に表現したように思える。
しかしながら、セリフから読み取れる部分よりもセリフの行間や表情から鑑賞者が推量しなければいけない部分も多い。したがって、曖昧な描写も多く、好き嫌いが分かれる作品であることは間違いない。そして、解釈も人によって変わってくるであろう。キャラクターの表情のクローズアップを撮っているシーンがやけに多い。これは表情からキャラクターの感情を読み取ってほしいという意図だと思うが、俳優陣の演技が素晴らしいため、それが実現できている。音楽も滑らかに映像とマッチしていた。
自分も正直、本作の全てを理解できた自信は無いが非常に興味深い作品で、完全に作品の世界にのめり込んでしまった。また改めてもう一度鑑賞してみたいと思う。
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