「ルイおまえよぉ。。。」たかが世界の終わり(2016) Kaiさんの映画レビュー(感想・評価)
ルイおまえよぉ。。。
ドランは大好きなのでこれからも次回作が楽しみですが、今回は分からなかった。ルイを通して自分を顧みるような感覚で観ていたので、兄貴に対してよりルイに対してイライラしてました。「おまえは何も分かってねーな!おまえが相手を受け入れることも相手に与えることもしてなけりゃ、相手もお前を受け入れられないし与えられないんだよ!」と始終思っていました。最後もルイが何も言わないから、むしろ兄貴はルイを救おうとしたんじゃないかとさえ思います。妹との会話で「もう終わりだ」と言ったり、最後の涙があったり、そういうところからは兄貴分かってんじゃないのかな?とさえ思いますが、考えすぎなのかな。
それでも始終不器用さ全開で雰囲気自体にイライラしてたので、おもしろかったとか良かったとかいう感想は持てませんでした。なので星3つ。でも皆さん書かれてるように、余韻や観終わってからの膨らみ方は自分でもこっから楽しみです。イライラはしたんですが、そのぎこちなさ不器用さはこの映画が表現しているものの一つだと思うので、それによってイライラさせられたなら作品として質が高いということなんだと思います。マイマザーを観た時から思ってるんですが、ドランは登場人物の屈折した気持ちや消化出来ていない気持ちをそのまま出してきますよね。そうやって生のままぶつけてくれるところ、そしてそれがアバンギャルドなやったもん勝ち的手法ではなく作品としてまとめてくれるところが好きです。この作品はストーリーがこれなので、それを小綺麗でつまらないものにせずに出すとこうなのかな、と思いました。
初めて観たドラン作品がこれやったら絶対イヤになりますよね笑。自分がそうやったのもあるけど、ロランスから入ってみてはどうですか?