ネオン・デーモンのレビュー・感想・評価
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執着のサスペンスだけじゃない
21歳でもう旬を過ぎてると言われるような業界で、なんとかもがき足掻いて生き残ろうとする女たち。
そこにふらりと飛び込んできた、未知数だらけの若い娘は文字通り生贄である。
あどけなさと色気のアンバランスさが危うい魅力を持つ限られた期間。
選ばれたものにとってはこの世の春だが、それは凋落への始まり。
すっかり調子こいていたら見事に生贄になってしまったわけで、贄は次々と宿り母体を移って行くのだろう。
美の執着に囚われたもの達は人間でさえない。
というのは観ていてその通りなのだが、この監督の描き方が特異だ。
目線が野生の獣だ。あ、死んだ、死んだね、モグ。おわれるから逃げる、恐怖の叫びもあげない。この人の死生観どうなってるのだろう。
好き嫌いは分かれそうだが、常人には無い感覚と思う。
絵はしびれるくらいかっこいい。キューブリックやリンチをも彷彿とする。
面白く観たが二度は観ないかも。
これ絶対監督男やろ。と思ったら
案の定男やった。全裸で撮影とか、下着だらけのオーディションとか、レズのレイプ未遂シーンとか、男の願望の具現化やんけ!とツッコミながら観てしまった。
とは言え、女同士の嫉妬とか格差とかの描き方が的確でエゲツないなと思った。そうやねん、女同士は表面上仲良くするために、イヤミに聞こえないようにイヤミ言うねん!ようわかってる!
3人の女たちの絶望感を理解させるためにジェシーがいかに特別なのかを描くのは必須だったとは思うけど、撮影とかランウェイでジェシーが輝くシーンがかなり冗長でさすがに長すぎ。エルファニングが可愛いのは一瞬でわかるから、あのへんを端折って90分ぐらいにまとめて欲しかった。
最後はエルファニング大優勝祭りで終わるかと思いきや、まさかのグリーンインフェルノ展開で大いに焦る。しかし身体が順応しなかった2人は流血して死亡。ジェシーを体内に取り込んだ1人だけが大優勝エンド。これはさすがに予想外で、中盤だらけた分のガッカリ感を大いに取り戻した。
説明が無いサイコアートは社会風刺できるのか
最初から現れる不安感を煽るような演出にブラックスワン(2010)的な痛い話かなと少し構えながら見始める。実際、精神的に不安を煽ったり、痛みを与える描写がちりばめられていた。それと同時に、暗闇の中のネオンや光の力強い表現が、その場面に必要だからだけでなく、ジュリーが一段と強くなるシーンを描くためにも使われており、それらを見る中でオンリー・ゴッド(2013)のように映像を絵画的に取るアート的な作品としての印象が心の中でできあがっていく。(視聴後確認すると、オンリー・ゴッドと同監督であるニコラス・ウィンディング・レフンが2016に作った作品であるとわかり納得がいった)物語は具体的な説明が乏しいままに進み、主人公と見られたジェシーの退場するシーンにはそうなるに至る決断の根拠の表現の乏しさもあり、感情移入はできなかった。ジュリーが物語から退場すると最初からほのめかしはあったレズビアンでサイコパスなルビーに主役は交代し、その後は化粧がこすぎる複数の女性の顔に対して誰が誰だが判断できず、『衣装係なルビーがきれいなジュリーを食べてファッション界に返り咲こうとして自殺した』のかなと思ったが、じゃあ最後に残ったのは誰だと思い、理解できていないまま視聴は終了となった。
美しいジュリーの退場後にルビーが彼女の血の入った風呂に入っているようであったり、目を食べている、というような所からは、『血の伯爵夫人』バートリ・エルジェーベトの所業や最近陰謀論として聞く、大富豪や権力者が美や若さへの欲望として若い人間の血を利用するという話を連想する。
見ていて一番綺麗なシーンはジュリーが金色を胸元に塗られているシーン。感情を明瞭に見せない表情が艶めかしくて良い。気になったのは日本で言う辨財天の鱗紋を上下逆にしたようなマークが何らかの意図を持って使われていたが、明確な答えが得られなかったこと。トリニティ、完全とかそういうニュアンスを読んだが、なんだろう。
美、嫉妬、恐怖。
ネットで知り合ったディーン(カール・グルスマン)に死体のモデルとなって写真を撮ってもらったジェシー(ファニング)。両親は亡くなっていた彼女は、これといった才能もなく、美しさだけで生きていくにはモデルしかないと、いきなりモデル事務所に駆け込んだ。知り合ったばかりのメイクアップ・アーティストのルビー(マローン)とも仲良くなり、トップモデルへの道を順調に進みだしたが、周りのモデルのサラ(アビー・リー)やジジ(ベラ・ヒースコート)から嫉妬されてしまった。
とにかくワンカットが長く、台詞も少ないため、モダンアートを楽しむ感覚で観ることができる。そうやってエル・ファニングの可愛さにうっとりするのも束の間、彼女にも恐怖が訪れる。サラによってガラスの破片で手を切られたり、モーテルの部屋にヤマネコが居座っていたり(これは意味あったのか?)、モーテルの管理人(リーヴス)に襲われそうになったりと・・・そうしてルビーが住む屋敷に匿ってもらうのだが、レズビアン指向のあるルビーに迫られたのを拒んでしまうジェシー。
終盤のプールの飛び込み板の上に乗ったジェシーのシーンから、彼女が美貌ゆえに自分が危険な女なんだと告白する。その後、ルビー、サラ、ジジによってジェシーは襲われ、プールに突き落とされ殺されてしまう(多分)。
ラストではジジが彼女の体の一部を食べたとして、目玉を吐き出すところでやっとホラーっぽくなっていた。シーン回しなんかがデヴィット・リンチぽい感じ。
「美」と「狂気」をアートチックに描いた作品
チネチッタの年末恒例のLIVE ZOUND上映にて初鑑賞。
非常に不思議な作品というのが率直な感想である。
というのも正直文字として感想を述べるとなると非常に難しさがある。という事は作品を十分に理解できてないという事実もあるのかもしれないが不思議と見ていて物足りなさや見応えのなさなどはない。
個人的には感性で楽しめたのかなと思っている。
予告の通りこの作品は「美」をテーマとした作品だ。主演のエルファニングはもちろん美しいのだが、この作品で彼女演じるジェシーは見た目だけではなく当初はピュアな内面からも美しさが溢れでいるわけだ。
それがこのファッション業界に染まり、欲望や周囲の妬み嫉妬が序盤の美しい描写から次第に狂気じみた作品と変わりその移りゆきが見ていて作品に引き込まれる。
「美」と「狂気」は本来異なる存在だが、「美」を追求し過ぎるが故に「狂気」化とするのはあり得る事である。その移りゆきをこの作品は非常にアートチックにそして魅力的に描かれていて興味深い作品であった。
LIVEZOUNDと凄くマッチしていたかはなんとも言えないが、大スクリーンで観れたのは、エルファニングのファンとしてはとても嬉しい限りである。
タイトルなし
想像通りの意味不明映像、グロい映像。ファッションモデルの嫉妬渦巻く世界観を独特の映像で見せているのだが、ストーリーも要らないつなぎあり、退屈。エル・ファニングは食べられちゃう。
この世界観にハマる
あまりにも美しすぎる世界観。
ホラー、恐怖を超え、うっとりしてしまう。
「映画」というくくりよりも、絵のようなひとつの「作品」として観るべき。
田舎物のエル演じるジェシーがファッション業界の闇へと吸い込まれていく、、、
ウェブサイトにも書いてあるように、危険な美を音楽そして、光とともに感じさせられる。
GAGAで扱ってる作品、好きなもの多い。
あまりにも、間接的な訴えが多かった中で、男の子のセリフ、内面が大切ってところ、あそこはそのまま言っていた部分に謎の違和感が。。
とにかく色、光の使い方がすごい。こだわりありすぎる作品だから好き嫌いが分かれそう。
映画館で観たかった。。絶対に圧倒される。そして、ある人にはトラウマと残るかもしれない。
自分の美を二回台詞としても肯定し、彼女自身が、山猫そのものだった。彼女に狂わされていく他のモデルたち、そして、優しさを持ちながらも裏ではヴァンパイアのよう鋭いレズのルビー。これ、名前にもこだわってる。ジェシーは、基本ありきたり田舎娘。対するルビー。女性は皆ナルシストな部分がある。
そして身近に存在する、嫉妬やそれに伴う復讐。危険な美とともに、ゆっくりと進んでいく物語。エルにとっても合った作品だと思う。余韻がすごい。血が出てくるぐらいで、ホラーではないと思う。。
やりたい事やったから見てっ!て映画でした
エル・ファニングが幼さとモデルとして演出された美しさの間を行ったり来たりして色々な顔が見れるのがとても良かった。シーン毎にメイクや服装でガラッと印象が変わる…そしてどれも可愛い!いやーほんとに画面に映えます。
内容的には後半思ってたのと違ったけど、ビジュアル映画だと思えば全然有りかな。話としては途中からあれ?若干B級のノリなのwって思ったけどゴリゴリにつくられたファッショナブルな映像美は見ていて楽しいしこれくらいの展開にしないとこの絵は作れないか…うん。やりたい事やったんだなー!と思えて逆に爽快でした(笑
エログロダメな人にはダメでしょうね、私的には生々しくもなくキレイに見せていたので全然OK。アート写真集的なグロさが許容範囲の人なら問題ないかと思います。
ちょっと何言ってるかよくわからないですねww
ジャケ買いならぬ、ジャケ見で観た
ネット無料でよかった、な感じ
冒頭、綺麗だし、雰囲気醸し出す感じで
魅了していくのもよくわかったし
どこからヒートアップするのかな
(スローリーなため飛ばし飛ばし
&レビュー漁る)って期待して観賞
したけど、評判通り
主人公、誰よ?
血だらけなの何したのよ?
顔似すぎてて誰が誰かわかんないよ?
ちょっと何言ってんのか
よくわからないですね
中弛みしすぎ…
もっとモデル業界の蹴落とし合戦の中で芽生える狂気を見れるのかと思ったけど、全然合戦しないし、間の取り方が長過ぎて眠くなるし、男女の恋愛も拗れまくって最終的にカニバリズムって…
ストーリーがむちゃくちゃ過ぎる…
予告は面白そうだったのになー残念
中盤までは期待したのですがね、、、
16歳の素人娘がモデルの世界に入り原石を磨かれて行く話。な〜んちゃって映画。
主役のエル・ファニングを主人公モデルとして、成り上がりが中盤まで鑑賞出来てまずまず面白かったのですよ。
許す場面はかなり許した。
「エル・ファニングをモデルってか!?」
10歩引き退って許した。
「フルヌード撮影のシーンはまだ幼いからしょうがない!」
ロリコン親父でも無いので許した。
「ファッションショーのモデル選定の際は正直言って隣の選考から落ちてしまった美人さんの方が上!。」
歳で視力が落ちたと思って許した。
「なんで部屋にヒョウらしき動物が侵入するんだよ!!」
大家のキアヌ・リーブスの顔に免じて許した。
後半の楽しみだと思って。
しか〜し、それが裏切られる事になろうとは。。。
は??状態。
主人公が死んでからストーリー破綻まっしぐら。
中身もろくに頭に入ってこない。
残念度爆発である。
生きていたなら魔性の女になり得ると期待した俺が馬鹿だった。
凄まじい後半の切り替え。
ファッションショーの打ち上げシーン辺りから、違う映画の前半と後半を繋ぎ合わせたかの様。
私としたら前半 星2.5 後半0.5 点評価。
かなり体力減りました。。。
一番デーモンだったのが…
ジェナ・マローンと愉快な仲間たちで、50のおっさんにはエル・ファニングのどこが「危ない子」なのか最後まで分からずじまいでしたよ。女子の集団狂気を描いた傑作は「ピクニック・アット・ザ・ハンギングロック」が依然として揺るぎない第1位のままです。 ジェナ・マローンには、もう一度だけでよいから、「ドニーダーコ」のときみたいな初々しさのある役をやってほしいなあ。
まあまあだった
つまらないわけではないんだけどまったりしすぎて飽きる。主人公がタフな精神の持ち主でそれを隠そうとしないところがよかった。キアヌ・リーブスが、オフの時にホームレス同然の暮らしているしているような報道があるが、それに近い役どころだった。
ラストのカメラ撮影の場面がやたらとテラテラした厚みのない映像になっていた。
きれい
映像きれい、いいMADを見たような感じ。
この世界観好きだけど、唐突なキアヌリーブスに笑った。
あと殺す!消す!じゃなくて食べるんかい!
いきなりの死姦とカニバリズムにちょっと混乱する。
きれいだけど。
まるでエリザベート?
主人公を殺して食べた女性3人の求めているものは、女性が求めがちなものの代表なのでは?と思ったり。
ルビー→愛
サラ→若さ
ジジ→美貌
ルビーは血で満たされた風呂に浸かりながらも表情は虚無。ジジは嘔吐に加え腹を割いてせっかく食べた主人公を出している。唯一望みを叶えられた(っぽい)のは有名カメラマンに指名されたサラのみ?
力技のサスペンス
何かが起こりそうという期待感とビジュアルで後半まで引っ張った力技は凄いと思った。キアヌリーブスの無駄とも思えるキャスティングやいきなり部屋にピューマが入ってくるのも、何をされるか分からないカメラマンも意味深な図形も主人公に嫉妬するモデルや異常なメイクさんもサスペンスの駒としては充分だったのに結末としては意外すぎて期待とは違う方向に行ってしまった。クセのあるこれらのキャラクター達の活躍をもっと見たかった。
悪魔に魂売ってでも
映画全体として見た目がとにかく良すぎる。ビビッドな色彩や女性達の長い手足や滑らかな肌。
生まれつき超可愛いくて素朴なジェシーが、自分の真価に気づいて魔性になっていく様にドキドキする。
美しいジェシーを軸に、その他大勢のモデル達は嫉妬し、ルビーは愛欲と拒まれた恨みを抱き、皆一様に狂っていく。
ジェシー自身も周囲の激情に巻き込まれてむごく殺されてしまう。選ばれた美人でも、器はただの弱い女の子で、「美」の概念にとり殺されてしまったように感じた。
ジェシーの死体を食べることで、モデル達は美しさを引き継ぐけれど、長くは続かない。オカルトっぽい展開だけど、美しさに呪われて彼女らは死ぬんだろうな。
なんとなく、利己的遺伝子の話を連想した。ちょっと違うんだけど、個体を超えて「美しい」という概念だけが女性の体を渡り歩く感じ。
登場人物全員、碌な目にあってないのに、それでもやっぱりキレイって良いなと思ってしまう。内面の美しさが云々みたいな言説が空虚なキレイ事に感じられるほどに、作中のキレイ・可愛いには説得力と力強さがあって、それが美しさの魔力なんだろうと思う。
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