「執着のサスペンスだけじゃない」ネオン・デーモン こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
執着のサスペンスだけじゃない
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21歳でもう旬を過ぎてると言われるような業界で、なんとかもがき足掻いて生き残ろうとする女たち。
そこにふらりと飛び込んできた、未知数だらけの若い娘は文字通り生贄である。
あどけなさと色気のアンバランスさが危うい魅力を持つ限られた期間。
選ばれたものにとってはこの世の春だが、それは凋落への始まり。
すっかり調子こいていたら見事に生贄になってしまったわけで、贄は次々と宿り母体を移って行くのだろう。
美の執着に囚われたもの達は人間でさえない。
というのは観ていてその通りなのだが、この監督の描き方が特異だ。
目線が野生の獣だ。あ、死んだ、死んだね、モグ。おわれるから逃げる、恐怖の叫びもあげない。この人の死生観どうなってるのだろう。
好き嫌いは分かれそうだが、常人には無い感覚と思う。
絵はしびれるくらいかっこいい。キューブリックやリンチをも彷彿とする。
面白く観たが二度は観ないかも。
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