92歳のパリジェンヌのレビュー・感想・評価
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終末をじっくり考える
尊厳死。思いには同感。個人主義がベースにあるフランスでの反応もすごいんだ。日本ではもっと違う反応もあるかも。
でも、いずれにしろ、難しい問題を丁寧に描いた秀作だと思う。
男性の感想を聞いてみたい
見た直後は、もしかすると、男女で見方の差が出る映画かも?と思いました。
「私は女だから、“母であると同時に、同じ女性同士でもある母娘関係”にすごく共感できたんだ。」と感じたのですが…
実はそうではなくて、登場人物をそれぞれの立場から丁寧に描いている映画だから、そんな感覚に誘われたのだ!と気づきました。
してやられたり。
尊厳死がテーマの実話って事は、ほぼほぼ着地点も決まっているわけですし、描かれるのは本人よりも受け止める家族側の葛藤ですよね?
言ってしまえば、そんな辛くて不毛なやりとりで二時間引っ張るわけでしょ?
どこを広げて、どんな切り口で?
と、この試写会をとても楽しみにしていたのですが、
ああ、あのお兄ちゃんなら、そうだよね。
ああ、こんなお婆ちゃんと孫の関係あるよね。
ああ、血が繋がっていても、ウマが合う合わないはあるからなぁ。
自然に“あるある”と思わせるリアリティーの積み重ねが素晴らしいです。
まるで前からその人達と知り合いだったかのような感覚で、それぞれの行動が腑に落ちます。
そして、それぞれの選択には、決して良いも悪いも無い。
バスルームのシーンが何度か出てきますが、どれも印象的で素晴らしいシーンでした。
風呂に入ることや排泄には、一番人間の尊厳が表れるような気がしました。
ともあれ、ぜひ男性の感想も聞いてみたいところです。(笑)
自身の想い、家族の想い
思うように身体が動かなくなり、人の助けがなければ生活もままならなくなってきたお婆ちゃんが、自らの人生の幕引きを家族に宣言。
家族は猛反対するがお婆ちゃんの意思は固い。
うちの両親はまだ60代だから若いといえば若いですが、
我が家では満場一致で、尊厳死に賛成です。
もちろんできるだけ長く一緒にはいたいと思うけど、それ以上に、愛する人の人生は、幸せな気持ちで終わって欲しいと思うのです。
とはいっても、自分がこの状況に直面したら、冷静ではいられないでしょう。
家族関係の状況も人それぞれだし、良い悪い以前に個人の気持ちの問題なので、確実な解決策などはあり得ない問題ですが、本人、家族双方の気持ちを第三者として垣間見ることができる、貴重な作品です。
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