幸福は日々の中に。
劇場公開日:2016年7月2日
解説
鹿児島市にある知的障害者援護施設「しょうぶ学園」の日常を描いたドキュメンタリー。知的障害者のケアや支援だけでなく、木工や陶芸、絵画といった活動ができるように、工房やアトリエなど、ものづくりに没頭できる環境も整っている「しょうぶ学園」。そこで制作された作品群や学園のパーカッションバンド「otto & orabu」の演奏は、多くの人を魅了している。「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」のドイツ人映像作家ベルナー・ペンツェルと写真家でもある茂木綾子が共同監督を務め、「しょうぶ学園」での暮らしや、園長や職員たちの思いを丁寧に描いていく。
2015年製作/73分/日本
配給:silent voice
スタッフ・キャスト
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2016年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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『幸福は日々の中に。』イメージフォーラムで観て来た。鹿児島市内の住宅街の一角にある「しょうぶ学園」という知的障がい者施設を映し出した73分の映画。
普通って何?多様な人が生きやすい社会をなんていうけど、そんな社会いつになったら実現するのか?だったらいま、生きやすい場所をつくって、そこにきてもらいたい、といったようなことを話す台詞が心にのこった。
「「普通」という曖昧な海を泳いでいるみんなへ。僕たちは、彼らに社会の秩序というものを教える立場ではない。彼らから精神的な秩序を学ぶべきだ」これは学園長の福森伸さんの言葉。
ここは障がいを持つ人があるがままでいられる場所。好きな手仕事をしながら、叫ぼうが歌おうが一日中ぼんやりしていようが、衝動の全てを肯定してくれるという。クラフト作品をつくったり、音楽をやったり、踊ったり、おそば屋さんやカフェを運営したり、それがどれもこれも、独特の味がありクオリティがめちゃめちゃ高い。いろんなものが、絶妙なバランスで成り立っているんだろうなと思う。
鹿児島は、ボーイスカウト発祥の地でもあり、コミュニティの中で人を育てる薩摩藩伝統の縦割り教育「郷中(ごじゅう)教育」というものがあるそうです。そんな鹿児島のなかで「しょうぶ学園」は地元の市民球団みたいな存在で、ついサポートしたくなる集団なのだそう。すてきだーーー。