しゃぼん玉のレビュー・感想・評価
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母性と地域社会の理想像に癒される
市原悦子が演じる農村の老女のキャラクターがいい。働き者で、親不孝息子を信じ愛し続け、素性の知れない流れ者でさえも疑うことなく面倒をみる。あふれんばかりの慈愛は、すさんだ主人公だけでなく、スクリーンを越えて観客の心をも癒してくれる。
原作小説の舞台で、実際のロケ地にもなったという椎葉村の風情も趣がある。山あいに農地が広がり、里山があり、しかしへき地というほどでもなくて、町のにぎわい、伝統的なお祭りもある。ここで暮らす人々の温かさに、都会暮らしで凍てついた心がとかされるのもよくわかる。
中盤あたりから出てくる藤井美菜も、さっぱりした性格の役どころでいい雰囲気。主人公との関係は、終盤にもう少し踏み込んで描いてほしかったと思う。ご当地映画の側面もあるので、その辺はさらっと軽めに、という意向があったのかもしれない。
刑務所で囚人に見せたい映画No.1。チンピラたちに見せたい映画No...
刑務所で囚人に見せたい映画No.1。チンピラたちに見せたい映画No.1。
人って環境が大事ですね。だが、不遇な環境だったからといってもやったことの責任は免れない。
林遣都、似合ってた。藤井美菜さん、お綺麗。
J:COM
この男は、愛着と絆を掴み始めている。
この男は犯罪しかすることがなかったかというくらい人の心を信じていなく、持とうとしななかった。生まれた環境も悪かったが、やったことも相当だった。人は金の宝庫、としか。
途中に若い女性が出てきてからこの人の心境は変化した。途中で出て徐々に打ち解けていった女性の過去が、自身の行動を反省するトリガーとなり、自身の行動を反省していった。
最初これが恋愛モノに発展するシナリオなのか?と悪い意味でハラハラしていたが、さっぱりしていた。フラッシュバックを起こし、おそらく罪悪感から(友人としてすら)仲良くなることに躊躇したと思われる。
ばあちゃんの愛情を利用した子供に対する取っ組み合いがあった時点で、家族に対する感情?縄張り意識が芽生えていたと思われる。
受けていた無償の愛に対して懐疑的だったから、最後過去を打ち明けたんだと思う。
最後行くところがある...の意味が読み取りきれなかった。
家の飼ってる柴犬に語りかけるシーンが何度かあったが、犬に対する言葉も、家族に対する愛着心と口調が比例していて、反映されてて良かったです。最初にタバコを吸うときは家族に対してまだ打ち明けておらず窃盗の記憶が鮮明だったときと、そばにいるのが当たり前のように語りかける口調と、家族に語りかけるような口調というように。
自然な日常的な流れが(意識されていたのかはわからないが)良かったのかなと思いました。
【これからが、これまでを変えていく】 オールタイムベスト★ 何度見...
【これからが、これまでを変えていく】
オールタイムベスト★
何度見ても考えても泣いちまう。
もうなんで泣いているのかさえ分からなくなる。
大好きな市原悦子さんの遺作でもあり、心を整える一作でもある。
【あらすじ】
通り魔殺人で逃亡中の男が、字をに巻き込まれた老婆を助け
山奥の自宅で世話になるというストーリー。
初めは自堕落な生活で警察に怯える毎日だったが、自然の豊かさ
人の温かさに恵まれ心を溶かし改心していくのだが…
市原悦子さんのTHE優しいおばあちゃんの役に癒される。
「頑張った…!よう頑張ったね…!」となんでもない事で褒め、
優しい子だと労い、一緒に食事を囲む。
勿論主人公である泉にかける言葉なんだけど、
私たちにも声をかけてくれているような安心感のある存在なんだよね。
主人公とおばあちゃんの関わりを通して、自然と周りに感謝したくなるような気持ちを整えるための作品であり、田舎の自然と人の温かさ、距離、お節介にやややりずらさを感じながらも、その繋がりが誰かの過去を暖かく包むこともあると気がつかせてくれる。
犯罪者の更生施設や刑務所でも視聴される作品と聞いて納得。
今でもロケ地には感謝の手紙とか電話が来るらしい。
それだけ影響力のある映画だったということよね。
ラストのカット、どんな顔で再開したのだろうと想像するだけで泣けるんだ。
ただ感動した~~と消費するだけの映画じゃない。
刺々しい毎日におばあちゃんの温かさを感じ、休息と原点に戻る機会をもらえる作品。
DVD買いました
癒されていく主人公
市原悦子のはまり役だった。温かくてでも芯があるお母さん的な演技は彼女ならでは。惜しい方を亡くしたなあ。綿引お父さんもできて、主人公は癒され和んでいく。主人公の身の上でなかった家族の愛情にぎこちない感じが良いね。
途中から登場の彼女との関係がもう一押しあると、物語が膨らんだかな。ここが残念な感じ。
ベタなストーリだけど、宮崎の山あいの風景も美しく満足。
人生を諦めかけた青年が自分を見つめ直す!
機会を与えられたストーリーでした。
親からの裏切りにも見える生い立ち、
罪を重ねてきた青年が宮崎の田舎町で
お年寄りの女性スマと出逢う!
スマの手料理を味わい、無骨に見えても
自然の恵みを受けて、徐々に心を開いていく
姿が山の晴れた美しい風景と共に描かれていました。慣れない山登りの収穫に悪戦苦闘したり、犬に話す場面もユーモアを感じました。
村の平家祭り、結ばれなかった男女を
巡り合わせると言う由来、祭りの手伝い
ミチとの交流を通して
また、やり直したい!
新しい再出発ができると思いました。
坊はええこと自分を信じてもらえることで
愛されている実感が湧いてくる作品でした。
主題歌が秦基博さんのアイだったことをきっかけに 映画を見たあと原作...
主題歌が秦基博さんのアイだったことをきっかけに
映画を見たあと原作も読みましたがそこまで大差は無いように思ったので原作を忠実に再現してるのだと思いました。
坊がおばあちゃんの優しさで変わっていくのが本当に素敵でした。生きていく上での環境の大事さを改めて感じました。
世界中がおばあちゃんのように優しさで溢れた人ばかりになればいいのに、、
しゃぼん玉
最初に原作を読んでから、映画を見ました。ほぼ原作に忠実で、本では味わう事の出来ない(宮崎県椎葉村の)風景にも目を奪われました。本と違い映画には、時間的な制約が有ると思います。なので、私の感想は多少とも無理が有るかも知れません。でも、少しばかり違和感を感じた所が有ります。①主人公の若者が、悪事を繰り返した部分②トラックに乗せてもらい、そのトラックの運転手から、途中で放り出された部分、この二つが説明不足の感が有り、(本では説明されていましたが)なぜ椎葉村に来たのかが良く分かりませんでした。ただ、③最後のシーンでは、刑期を終えて椎葉に戻った時、老婆が高齢なのに待っていてくれた事を示すシーン、この部分は映画のほうが、見る方に正確な想像を想起させる点において、勝っていた、と感じました。
ええ歌
市原悦子の田舎のおばあちゃんがいい。
田舎の人たちと触れ合うことで、毒気が抜けていくというか癒されるというか、気持ちが和らいでいく。
そのとき自分のしてきたことが重くのしかかる。
ラストに流れる秦基博の疑ってしみる。
帰る場所
物理的にだけではなく精神的に帰る場所があるとこんなに安心して生きていけるんですね。坊を観ていて思いました。宮崎県の自然、人への思いやり、邦画の良い所が詰まった作品です。あんなお家に住んでみたいなあ。市原さんも綿引さんももう居ないということが寂しい。
役者さんの演技力が光る映画
何気なく観た映画でしたが、とても素晴らしく、心に響く映画でした。
派手なシーンや演出はなく淡々と進むストーリーですが、宮崎の美しい田舎の景色と役者さんの素晴らしい演技で、映画の世界に引き込まれました。
林遣都さんは、少ないセリフながらも、視線や表情、所作で主人公の複雑な心情の変化を見事に表現されていて、そこにベテランの市川悦子さんと綿引勝彦さんの演技が加わり、役者さんの演技力に魅せられました。繰り返し観ることで気付かなかった細かな表現も発見することができたり、何度観ても飽きない映画だと感じます。
原作のイメージがそのまま再現されている印象でしたが、「お前なんか死んじまえ」と主人公が叫ぶシーン、そして最後の3年後を描いた映像のみのシーンは、原作よりも映画の方が好みでした。
きめ細やかな心情を描く素敵な映画に出会えて良かったです。
いい映画に当たりました!
暇な巣篭もりでTVはコロナのニュースばかり、ふとプライムビデオで見つけたしゃぼん玉
キャストが良いのと、少しこちらのレビューみてみる事にしました
いやーほのぼのとした内容ですが、
って本当はほのぼのじゃないんですよ
ひったくり、強盗致傷ですよ
たまたま逃げた先で何となく流されて村人達と触れ合う
そのうちに改心していく。
よくある話しなんですけど
市原悦子さんの優しいお婆さん役歩いてるだけで涙が出そう。
それと林遣都くんは、上手いねぇ
オッサンずラブで知名度上がり、去年の姉ちゃんの恋人でもとても素敵な役柄でしたが
パレードみたいなちょっとわからない役や、ゲイの役なども多くこなしてて、味のある俳優さんで好きです。
自然と普通の日常を見ている様ですが、宮崎県の素敵な土地も一役買っていて。
素敵な映画でした。
残念なのは公開を知らなくて映画館で観れなかったこと。
エンドロールで流れる秦基博さんの曲に更に癒されました。
人におすすめしたい映画でした
しゃぼん玉
ばあちゃんとシゲ爺の日常の何気ない言葉が主人公の心に刺さる。彼らの優しさに触れて、主人公は変容する。
優しさは伝染する。
田舎ののどかさや方言の心地よさも、都会では味わえなくて良い。
メッセージが分かりやすいのもこの作品が評価されている理由かも。
優しく温かい映画。
暗い映画でもあるけど、人の温もりを感じることができる、素敵な映画でもありました。
自分は、お母さんやおばあちゃん、お父さんから愛情を感じ、育った。
人の温もりを知っている。
それは、とても幸せなことだ。
自分を受け入れてくれる人、
自分を必要としてくれる人はどこかにいて、
その人たちに、「ありがとう」と感謝される。
そんな人生を送りたい。
"今、お前が身につけることは、
逃げることではなく、
厳しいことに立ち向かっていく力だ!"
市原悦子の存在に頼りすぎて微妙!!
出だしは観た事のないような独特の雰囲気で期待しましたが、市原悦子の存在に頼りきっていて、主人公がどう改心したかの繊維な箇所は伝わってきませんでした。凶悪犯なので無理だと思います。樹木希林作品と同じような雰囲気映画でした。
危うい感動
大変感動的な作品で思わず嗚咽が漏れてしまいました。
しかし、強盗致死障害はどうやらハンパな罪ではないようです。そこまでの罪を犯した人間を、鑑賞者が色眼鏡で見ることをしないと言うのは少し安易な予測ではないでしょうか。つまり、この映画は鑑賞者が坊は本当は善人であるという確信をもたなければ成立しない映画であると思います。
自分も途中まではこの野良犬がいつまで良い子のふりが続くか疑問だとワクワクしていました。しかし、ストーリーの進み方からしてそういう展開はなさそうだと感じ、じゃあいつどう改心するのかを待ち始めます。
最初の食事のシーンからしてあまりリアリティがあるとは言い難いですね。自分の中にある恐ろしく醜い偏見ですが、ああいった思慮が浅く、人から奪う事になんの抵抗も覚えないような人間は、出された田舎臭い食事を美味い美味いなどといって食べる訳はありません。食べたことのない物は「まずそう」といって決して手をつけず、肉しか口にせず、食後すぐに「はらへった」などと言ってカップラーメンを啜るような食事こそが彼らの現実の食事です。
書いていて思ったことですが、当然本当の善人も本当の悪人もこの世にはいるはずもありません。村の生活と老婆の善性に感化されて良心が芽生えるというストーリーなのでしょうか。そうならば非常に心打たれる素晴らしいストーリーだと感じます。
最後に警察に行くシーンには涙が止まりませんでした。
しかし、現実にはあの田舎で前科者がうまく溶け込める筈もなく、帰ってからが本当の禊、自分の罪の意識と償いというものを心から向き合う地獄になるでしょう。そういったことを考えると、また心が痛み涙が溢れました。
単にほっとする映画でもない奥深さ
闇に落ちた青年が田舎暮らしを経て再生するまでのストーリー。
単に良い人ばかりのほのぼのストーリーでもなく、勧善懲悪でもなく、悪い人もそれにより傷付いた人もそれを乗り越えて必死に善い人であらんとする人もいて、宮崎県の美しい田園風景とは裏腹に、なかなか奥深いストーリーだ。時間の経過とともに林遣都演じる伊豆見の身なりが整っていくのが象徴的。語られなかったが、3年で刑期を終えられたということは、殺人にはならなかったのだろう。
市原悦子さんはさすがの演技力だった。晩年だったので仕方ないが、もう少し若い頃のシャキッとした市原悦子さんが懐かしい。
「しゃぼん玉とんだ、(宮崎の)山までとんだ、山までとんで“壊れもせずに消えもしなかった”」
①泣かされた😭ただ原作で泣かされたのでその読後感と併せて泣いてしまったのかどうかは微妙なところ。②原作は一人称ではないが全て翔太目線で描かれている。だが映画というのは観客目線で作られるもの。翔太の心の振れ、翔太を変えることになったもの、は全てカメラを通して観客に伝えられる。ここを間違えると『映画』としては成立しない。③スマ婆ちゃんやシゲじいの台詞はほぼ原作通りの内容・量である。問題は翔太の台詞だ。原作での翔太の独白を台詞にせず、ここでの林遣都扮する翔太は美知と話するシーン、ラスト近くにスマ婆ちゃんに告白するシーン以外は悪態は多いがあまり喋らない。ここが巧いと思った。
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