追憶のレビュー・感想・評価
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泣いてしまった。
見終わっても余白がある作品です。
美しい風景
もの足りなさと安定感
ヒューマンミステリー?
降旗康男監督が時々若い俳優をつかって撮る作品群がある。「赤い月」しかり「憑神」しかり。
本作もその一環ではあるが、上記2作と違うのはオリジナルということだ。
25年前の因縁から現代まで、主人公たちのたどった道のりをかいつまんで追うことになる。
ただ、この映画はどこへ向かって行くのだろう。結局、それはわからずじまいであった。
事の真相が明らかになったとき、登場人物のひとりが「なんだそれ」とつぶやく。それは憤りから出た言葉なのだが、観ている我々にはまさに「なんだそれ」という真相であった。
殺人事件をからませないで描くこともできたのではないか。そうすると、もっと人間を見つめることができたのではないか。
100分弱の上映時間が長く感じた。
和製『ミスティック・リバー』もどき
幼い時分に一緒に育った男性三人が、ある事件をきっかけで20数年ぶりに出逢う・・・という物語は、クリント・イーストウッド監督『ミスティック・リバー』を思い出さずにはいられない。
富山県の漁港。
行き場のない少年三人が「ゆきわりそう」という名の喫茶店で暮らしている。
そこの女主人・涼子(安藤サクラ)が引き取ったような形だ。
彼女にはヤクザ者の情夫(渋川清彦)がいて、彼女を手荒く扱っていた。
それを見かねた少年三人がとった行動は・・・
歳月は流れ、20数年。
少年のうちひとり(篤)は刑事となった(岡田准一)。
もうひとり(悟)は、東京でしがない硝子屋の二代目になった(柄本佑)。
ふたりは富山で偶然再会し、その夜、杯を重ねる。
その際、金策に苦労していた悟は、啓太(三人目の男・小栗旬)に金を借りに行くと言っていた。
その翌日、悟の死体が富山で発見される・・・
という物語で、やはり『ミスティック・リバー』そっくりだ。
現在の殺人事件から空白の20数年のドラマを紡ごうとするのだが、どうもしっくりこない。
少年三人のうち、悟と啓太は20数年前の出来事にとらわれているようにみえるのだが、肝心の主役・篤の心配事はそこにない。
無軌道な母親と、上手くいかない夫婦関係。
たしかに、20数年前の出来事を引きずった結果の心配事といえなくもないのだが、傍から見ていると、ただただシンネリムッツリしているようにしか見えない。
まぁ、劇中、篤は悟から「気楽に生きて、刑事になんてなりやがって」と罵倒されもする。
事件の決着など、全体の絵姿は悪くないのだが、描く方向がちょっと違っている感じ。
個人的には、悟側から描き、篤をもっと気楽な性格に描いていれば、かえって面白みが出たと思うのだが。
そんなあたりが気になったのは、スタッフのクレジット。
「脚本」のクレジットがない。
青島武、瀧本智行のクレジットは「原案脚本」と、ふたつの間に「・」はなかったように見えた。
想像するに、ふたりが書いた脚本を製作する過程で、主役を岡田准一に、監督は降旗康男監督に、撮影は木村大作に、と規模が大きくなる際に、かなりの脚本改変がなされたのではありますまいか。
観終わって、そんなことを考えた次第である。
良い映画だったけど、もう少しひねりが欲しかったかな~。
名前だけで
昔風の作品
ジワジワと染み渡る映画
挿絵のような「画」が美しい
この映画は、キャストが映らない挿絵のような「画」が印象に残る映画です。その一つ一つが本当に美しくて、そして、この一つ一つの「画」に深い意味がこめられていて、北陸の、重苦しい低い灰色の空が、主人公篤の苦悩を的確に表していました。
そして、この映画・・・安藤サクラさんの演技無しでは語れないと思います。序盤と人生が変わった後で、それぞれうつろな目をされるのですが、本当に素晴らしい演技でした。
心の中にある苦悩を、表に出して演技するのはとても難しい事だと思いますが、主人公篤役の岡田准一君は、切ない複数の苦悩を演技し続けていました。はっきりいって「昭和的で地味」ですが、「画」と「演技」で勝負した映画だと思います。この「昭和的で地味」に対して魅了されます。この良さは、本当に大人の方にお薦めできます。是非劇場で魅了されて頂きたいです。
最後に 主演の岡田准一君ですが・・・ポスト高倉健と言われる事には戸惑いを感じている感が伝わります。おごり高ぶらないのが彼の良さだと思います。
年を重ね、努力を重ね一歩一歩近づかれ、いつかは・・・と、期待しております。
うるっとした
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