「全体的に物足りない」追憶 himekさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的に物足りない
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序盤に映画の主軸である事件の全容が描かれてしまい、最後に明るみになる事実もそれほどインパクトがなく肩透かしになってしまった。(個人的には25年前の事件は終盤まで引っ張ってほしかった。)映画を観終えて最初に感じたのはストーリーラインからするともっと面白い映画に出来ただろうにと思った。
2時間以下と短い映画だからか、脚本もナレーション感が強く編集も無理につなげるような場面が気になった。昭和な映画が悪いわけでは決してないが、古きよき映画ではなくただ古臭い映画といった印象。序盤にある幼児虐容疑者を捕まえるシーンは感情の揺れをみせたかったのかもしれないが、ハンディでだいぶぶれたカメラは昔見たブレアヴィッチを観たときのように正直気分が悪くなった。
安藤サクラの目には役者力を感じたけれど、その他のキャラクターはひとつの与えられた役の限られた部分だけしか見ることができなくて深みがなく一辺倒でどこかぎこちない、演技しきれていないように感じた。これだけのキャストに恵まれながらこうなってしまったのは、もはや役者個人がどうということではないと思う。
全体的に静かで物悲しい映像の色合い、景色、音楽はとても良かった。
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