劇場公開日 2016年6月11日

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「心揺さぶられる」さとにきたらええやん Rubysparksさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0心揺さぶられる

2016年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

『さとにきたらええやん』は ”日雇い労働者の街" 釜ヶ崎にある「こどもの里」を描いたドキュメンタリー映画。予想していたけど、今も思い出し泣きするほど心揺さぶられる作品で、会う人会う人に、この作品の話をしています。『隣る人』に並ぶ名作!…と思ったらプロデューサーも同じ大澤一生さん、編集も同じ辻井潔さん、隣る人の刀川監督もパンフレットに寄稿されていました。さすがです。最強のチーム。

「こどもの里」のことは3年前くらいにSHINGO★西成のドキュメンタリーで知り、友人がそこでボランティアしてたとのことで一気に身近になった。私も遊びに行きたい。話にはきいていたけれど、映画によって、そのすごさがリアルに胸に迫ってきた。ここには、真の多様性、包摂、寛容、エンパワメント、尊厳が、ある。精神論ではなく。血縁、婚姻に閉じない子育て、それはユートピアというよりは、DV、障がい、貧困、いろいろな壮絶な生きづらさをサバイブしていくなかで自然発生的に作り上げられていった場とつながり。

映画の終盤、映画館の客席のあちこちからすすり泣く音がきこえるシーンがある。こどもの里で暮らすマユミの送別会で、館長のデメキンがマユミに語るシーン。あんな風に全力で関わってくれて、こんなことを全力で伝えてくれる大人がいることのパワフルさ。あんなこと、実の親にも言われたことないも多いんじゃないかな。私もそうです。私はあのシーンを思い出すだけで涙がでてくる。

「こどもの里」は2013年にNPO法人となり、現在は「認定NPO法人」の取得を目指し、個人からの寄付を募っているそうです。なにしろ、どんな人でも来られるように、ここでは親子からは利用料をとっていないのです。私も映画を観たその足で郵便局にいって少額ですが寄付して来ました。

Rubysparks