「最後まで予想外、失敗を見事に使った作品。」ハルチカ パセリさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで予想外、失敗を見事に使った作品。
原作未読。前情報なしで高校青春ものというだけで鑑賞。吹奏楽部に入学希望の橋本環奈演じるチカとそれに巻き込まれていく佐藤勝利演じるハルタ。前半は部員集め、後半は部活ならではのできる人できない人問題を経て演奏を作り上げる様子が描かれます。
部員集めだけでも色々エピソードあって散らかりそうでしたが、後半の怒涛の盛り上がりまでいい具合の絞り込みでちょうど良かった。
後半のこれでもかという程、チカが失敗し続けて追い込まれる姿を見せられつらくなる。一回出来たのに、これぞ王道クライマックスシーンで失敗する。チカきっかけに演奏がうまくいかず部員が割れていく様が非常にリアル。音楽室での長回しの一本撮り俳優さん方が素晴らしい。
最後の最後、伏線を回収する形での展開で、こういうことかと納得。でもそこでも失敗。しかも失敗は1回で終わらない。だからこそ生まれる最後はグッときます。成功シーンは鳥肌ものでした。
からの悪ふざけのようなミュージッカル、これがもう逆にいい、やり過ぎ感ハンパないが、すごく心地好くなる。現実ではないような演出ですね。キスや志賀さんのぶっ飛びダンスで収まった。
部員集めに成功して練習してコンクールで成功、そして恋愛とかそういうイメージでしたが全く違った。後半こそまさに吹奏楽部のリアルなんだろう。部員の葛藤や失敗の連続など見る側も途中から展開が分からなくり手に汗握る。長回しやミュージカル風なシーンなどチャレンジシーンがたくさんあって見応えあり。
チカが弱り始めて逆にだんだん逞しくなるハルタを佐藤勝利くん見事に演じられてたと思います。橋本環奈さんもチカの元気で真っすぐだけど時に心の弱さを見せる姿をしっかり演じられてました。他の方もしっかりキャラが立ってて、というかそういう撮り方をされてましたね。
いや、予想外におもしろかったです。